菅政権は本当に間が抜けている。昨日の衆参の予算委員会で野党側から危機管理体制がなっていないことを追及されたのを受けて、慌てて妙な指示を全ての閣僚に出した。明日から12月1日まで不測の事態に備えるために都内に待機すると共に、1時間以内にそれぞれの官庁に集まれるように、というものだ。この間に米韓の軍事演習があることに伴って何が起こるかわからない、というのが理由である。


 こんな指示を出すこと自体、これまで危機管理の意識がなく、緊張感を欠いている証左だ。


 衆議院では、北朝鮮軍が延坪島を砲撃したとの情報が首相にもたらされた時に、官邸が空っぽ(責任ある者が不在であったということ)だったとの事実を指摘された。菅首相は、官邸の傍にある総理公邸にいたようだが、報を受けたあともかねて予定されていた参議院の民主党国対関係者との懇談をしていたという。昨日のやりとりをテレビで聴いていた市川常任顧問が、党中央幹事会の席上、官邸にいるいないではなく、政権中枢が機能していたかどうかが問題であるとの見方を述べた。


 どこにいようが、首相がいるところが官邸なんだ、私がいた場所できっちりと陣頭指揮をした。何か文句あるか、といえばそれで済む。それを、なんだか頼りなさそうに、私は公邸で指示をしたから問題ないなどと言いよどむからいけない、と。これでは、仮に集まっていても何も機能してはいなかったと言うほかない。至言だと思う。


 仮に皆が直ちに集まっても、首相が的確な指示をださず、集まった官僚も右往左往するだけではなんの役にも立ちはしない。