菅首相の側近中の側近と言われる荒井聡国家戦略相の事務所費問題は全く酷い。下着購入費やマンガ本までを事務所費としてあげる感覚は信じられない。こんな人物が国家戦略担当とは聴いて呆れる。衆参両院での質疑を聴いていても、訂正すれば済むといった姿勢で、全く納得の行く答弁はなされていない。民主党は公明党などの予算委員会開会要求を聞き入れず、国会を延長する姿勢を全くみせないまま、国会を閉じようとしている。


 会期末を明日に控えた15日は、参議院で代表質問が行われ、公明党からは山口那津男代表が質問に立った。注目されたのは、菅首相が、徹底した無駄の排除をしないまま、財政悪化を口実に、消費税上げを狙った与野党協議機関を設けようと提案したのは、虫が良すぎる身勝手な態度だとしたこと。山口氏は、まずは民主党が自分たちのマニフェストが誤っていたことについて、明確に認めるべきだとしたうえで、むしろ開店休業中の社会保障の在り方をめぐる与野党の協議機関を動かすべきだと逆提案をした。


 二日間の菅首相の答弁を聴いていて、この首相は守りに弱い人だと直感した。野党時代の菅氏については、なかなか攻めるのはうまいと思っていたが、立場がかわり攻められると、感情的になるケースが見られたり、挑発に乗りやすいタイプだということを裏書きする場面も散見された。一方、冷静に答弁しなければならない場面でも、聞き取れないぐらいの速さで棒読みをするなど、「情緒不安定」を思わせるほどの態度を示したのはこの政権の前途の多難さをうかがわせる。