「浮島とも子さんの話を聴いたら、いてもたってもいられなくなった。直ぐに島根県に住む友人のところへ支援を頼みに、娘婿の運転でいってきた。浮島さんて、凄い人やね」―こう今年73歳になる私の実姉が先日電話をしてきた。


 週明けの月曜日、新幹線新神戸駅前にあるホテルで、兵庫県立大学大学院の佐竹隆幸教授の「崖っぷちの日本経済と兵庫経済再生の方向性」と題する講演のあと、浮島さんの挨拶や山口那津男党代表の講演があった。神戸市内を中心に多くの企業関係者で、会場はほぼ満杯。帰り際には口々に「いい会合だった」「勉強になった」「頑張ってください」と言っていただいた。


 浮島さんは6年前に初当選した参議院議員だが、元々は、米国の名門デイトンバレエ団でプリマ(主役)として活躍したバレリーナ。その彼女が阪神淡路の大震災で打ちひしがれている神戸の地を見て、直ちに帰国を決意。当時、「ジム・プールのある家に住み、アメリカンドリームを満喫するような生活を送っていた」のに、それを投げ捨てて、「被災して傷ついた人の心を、少しでも元気づけられればという一心で」神戸にやってきた。いらい、劇団を作って学校や老人ホームで公演するなど八面六臂の大活躍。その姿をみた方々の推薦もあり政治家の道に進んだ。


 美しい顔、スリムな身体―どこにそんな闘志が、と思える優しさ溢れる女性だが、一度演壇に立つと、迫力満点の演説で激しい民主党批判やら、この6年の自身の経験を語る。「新しい福祉」の担い手として、また「文化・芸術」を振興させるための捨石としての実績は聞くものの心を強く打つ。そこいらのタレント議員とは全く違う実力派の姿が輝く。