「鳩山首相の言葉も行動も本当に軽いね。会議でたまたまオバマ大統領と隣り合わせになって10分間話したからと言って、それが会談なのかね。記者に問われて話した様子をテレビで見たが、全く嘆かわしいとしかいいようがない中身だった」―危機管理を専門にされる著名な評論家の厳しい言葉だ。私も全く同感だった。二人のやりとりは盛り上がった。この人とはかつて有事立法などの危機管理の勉強会でいろいろと教えを頂いたことがある。足が不自由なご様子で、車イスを使っておられた時期があったが、昨日は杖を使っておられた。中国の新しい駐日大使の程永華さんの就任の祝賀会で久方ぶりにお会いした時のことだ。短い時間だったが、こちらは鳩山・オバマ対談よりも充実した会話ができた。


 程大使は、私が勝手に想像していたよりもよほど穏やかなたたずまいで、爽やかな印象はきわめて好感が持てた。その挨拶の力点は、私にはひたすら「上海万博」の成功を期す思いに充ちていたように聞こえた。二度にわたる万博の経験を持つ日本に学びたいとの謙虚な姿勢が伺えた挨拶であった。私が中国を最後に訪問して、はや30年。上海万博の開催中に、大きく変貌した中国に行ってみたいとの思いは強い。


 こうしたパーティの効用は、アポをとらずにいろんな方に会えることだ。この日は元外務省の高官(条約局長を経てロシア大使経験者)に会えた。早速、いわゆる「密約」問題をめぐる経緯について所感を求めてみた。殆ど全てといっていいぐらい、問題の所在を知っていると思われる人だけに、なかなか意味深いことを少しではあるが、吐露してくれた。こちらにはそれで十分だった。程大使とは別途お会いできるものと確信して、会場内で“野党議員外交”を展開した。