「たちあがれ日本」「国民新党」「みんなの党」「社民党」。これは、衆議院本会議場の議長に向かって右翼の最後尾席に右から順に座っている議員の所属政党である。個人名で言うと、平沼赳夫、亀井静香、渡辺喜美、照屋寛徳の4人。そして通路を挟んで、共産党の志位和夫、そして私と続く。私と照屋氏を除き、すべて各党の代表だ。このところ自民党を飛び出て新たな政党を作ったり、無所属で活動したりという動きが急だが、これからどれだけ増えることやら。


 昨年の総選挙で民主党は大勝をしながらも、次々と政治的不祥事やら公約違反のオンパレード。ところが、肝心の野党第一党の自民党に元気がない。それもあって新党騒ぎという構図に。平沼氏や、与謝野馨氏の行動については、「保守」の衰退に対する懸念が根底にあると思われる。保守合同で自民党が結成されて55年。いまや、あらゆる意味で「保守」は劣勢に立たされているように見える。日本の歴史、文化、伝統に依拠する政治理念を真正面から掲げたいとの衝動があるのだろう。自公政権がいわば、中道右派的色彩を持った政権だったのに比して、旧社会党、旧民社党に加えて市民活動家などいわゆる社会主義的思想の残滓に影響された連中が内閣を構成し、労組連合や日教組の支配が強まる傾向のある民主党政権。これは、中道左派というよりも一昔前の「革新」勢力ならぬ落日の労組の勢揃いのようにも思われる。


 第三極の本家争い的な言動がある。しかし、文字通り三番目の勢力で、かつて55年体制下で、資本主義、社会主義を目指すのでなく、“中道革新の旗”を掲げ、人間そのものの救済を目指して登場した公明党こそ、真正の第三極たる資格があろう。であるがゆえに、新しい「物語」をつむいでいかねばなるまい。