こども手当法案の本会議での質疑が行われた。昨年の衆議院総選挙では、高速道路の料金無料化や農家の戸別所得補償問題などと並んで、有権者の歓心を買うためのバラマキ・マニフェストの中核として騒がれたものだ。こうした重要法案は首相が答弁に立つというのが通常のパターン。ところが、鳩山首相は議場に出てきていながら、自席で民主党議員と談笑するという礼儀の悪さ。今朝の一般紙にも写真付きで批判の対象となっていた。私も議場内でその姿を見て、天をも恐れぬ行為だというか、舐めんじゃないと怒りを抱いた。


 公明党からは古屋範子議員が質問に立ったが、舌鋒鋭く民主党の問題点を追及、小気味いい中身であった。その矛先の最大のポイントは、これまで公明党が中軸になってだしてきた法案に、すべて反対をしてきていながら、今回の子ども手当て法案は民主党政府の独自のものではなく、むしろこれまでの児童手当法の拡充法案となっていること。しかも、恒久法としてではなく、本年度限りのもので、おまけに当初の主張の半分の1万3千円を中学校修了までの子どもたちに支給するという。恒久的なものは来年度からというのだが、明らかに今年の参議院選挙目当てでともかくカネを配ろうという意図が見え見えだ。


 これでは明年に彼らのいう完全なものが実施に及ぶかどうかさえ疑わしい。それもそのはずで、満額5兆5千億にも及ぶ財源をどう調達するのか、見通しも立たないうちに出したつけがじわり民主党を怯えさせているとみえるからだ。


 自分たちが児童手当法の拡充に一貫して反対してきていながら、新たな制度設計が出来ないものだから、今ある制度に上乗せした法案をとりあえずだしておこうというのは、あまりにご都合主義ではないか。公明党などのこれまでの努力を踏みにじってきていながら、困ったらちゃっかり頂くというのでは盗人猛々しいといえないか。


 自民党は出席してこの辺りを厳しく追及すべきではなかったか。欠席戦術はいささか見苦しい。