バンクーバー五輪が開催されており、カナダがあらためて注目されている。この国は、ロシアに次いで世界で2番目に国土面積が大きい。意外だ。アメリカの北側に隣接しているだけに、米加関係は緊密だが、だからと言って追従一辺倒ではない。時に厳しく対峙してきた歴史も。そのあたり、かつて読んだ孫崎享『カナダの教訓』を思い起こす。某大企業の支社長としてカナダに勤務した経験のあるK氏が、いかにカナダ在任中にこの本が役に立ったかを力説しておられたことも。


 PKOにも熱心に取り組み、机上訓練や展示がなされているピアソン・センターが世界的に有名だ。私たち公明党もこの施設に強い関心を持ってきており、日本にも類似のものを作りたいと思ってきた。政権にあった時に、着工にもう一歩までこぎつけたが、民主党政権による事業仕分けのもとで、敢えなく挫折してしまった。ムダだとのひと声で潰すのはいかにも残念で、惜しまれる。


 今朝のNHKラジオでは、著名な経済評論家が、カナダのモントリオールで23年前に結ばれた議定書の価値を改めて評価する論評をしていた。地球をとりまくオゾン層がフロンによって破壊されることを防ごうとの狙いで結ばれた協定。それが幾多の経緯を経て今日の地球温暖化防止への流れにつながっていることを感慨深く語っていた。加えて、当初フロン規制に後ろ向きだった日本の産業界を転換させる契機になった長野県諏訪市のある企業(セイコーエプソン株式会社)の先駆的取り組みを紹介。その後雪崩をうつかのように、大手半導体メーカーが追従していったことを知った。


 この五輪の開会式をみた際、一人だけで参加した国や、あるいは二人といった南の雪と無縁の国の参加が印象に残った。世界平和へ、そして地球の安心、安全にむけての大きな一歩となることを、寒空の日本で祈りたい。