昨日の衆院における第二次補正予算案通過を受けて、今日は参議院での質疑があった。自民党等の5人の委員が立ったのを聴いたが、いずれも聴きごたえがあるいい質問であった。鳩山首相ら政府側答弁は極めて疑問の残るもので、この日に限っていえば、自民党の質問力が民主党の答弁力を上回っていることがはっきりした。
舛添要一氏は、「日米関係を緊密で対等なものにしたい」との政府の姿勢について質した。これに対して首相は「対等」の意味は、「米国のいいなりにならないということだ」と言い、外相は「日本が米軍に基地を提供することで十分に対等だと思っている」と述べ、二人は食い違いを見せた。民主党は「対等」と言う言葉を極めて杜撰に使っている。
また、林芳正氏は、政府の成長戦略が遅れたことの問題点、二次補正予算が自公政権当時のものと比べ、なんら新しいものがないことなどを指摘。やりとりの中で、菅財務相はこれからの成長率の見通しとして根拠あるものを示せない現状やら、乗数効果と消費性向の違いをも明らかに出来ない理解力の弱さを露呈した。冷静に緻密な質問をする林氏と、感情的になり前政権との対比にすぐに話を持っていこうとする菅氏との優劣は明白だった。以上の二人は、国内外の政治状況について民主党政権の危うさを暴露した。
西田昌司氏と森まさこ氏の二人は、首相と小沢氏の政治献金疑惑を徹底して追及した。西田氏は首相の母親からの資金提供が今回に限らず以前からあったこと、また首相の資産そのものがどうしてかくも巨額なものであるかについての様々な疑惑を丁寧に浮き彫りにした。民主党のモラルの低さが明らかになった。小沢幹事長が、政治資金管理団体を経由させて不動産を取得した経緯などをめぐる疑惑も一段と深まった。
また、荒井広幸氏の質問は、民主党政権の反民主主義的傾向を明らかにしたうえ、原口総務相、川端文部科学相らの労組からの献金をめぐる疑惑を厳しく追及するもので、迫力があった。民主党中心の政党による政権交代の欺瞞が大きく明らかになった一日であった。