4日間延長された総選挙後の臨時国会も閉幕した。合計40日間だった。最終日の今日も自民党は、欠席をした。なにもかもしまらない国会だった。先の総選挙の期間を通じて私が主張した点は、以下のとおり。「政権交代可能な仕組みを日本に作るのは望むところだ。ただしかし、09年夏の時点で民主党に政権を渡すのは反対。その理由は三つ。一に、民主党政権といっても、その実態は社民党、国民新党の連立であることから、必ずこれらの少数党に引きずり回される。第二に、高速道路の無料化、子ども手当て、農家の戸別所得補償といった“マニフェストの売り”はいずれも財源が明確でない。早晩行き詰るのは必至だ。第三に、鳩山、小沢の二人に代表される政治資金疑惑は、一層募り、政権の信頼を揺るがす。こうしたことから政権担当能力は疑わしい」といったものだった。先日姫路の西支部の支部会で、この話を改めて紹介した後、「皆さん、どうですか。ものの見事に当っているでしょう?」―万雷の拍手をいただいたのは言うまでもない。民主党、いや「民・民・民政権」は多数だが、脆いのだ。


 公明党は明日、全国県代表協議会を開き、明年夏の参議院選挙に向けての実質的なスタートを切る。自社55年体制を形成した自民、社会両党が時間差はあれ、名実共に崩れ、代わって民主党中心の新たな絶対多数勢力が登場した。55年体制打破に尽力した公明党の役割は成功裏に終わり、一転今度は、民主党独裁になりかねない体制に代わりうる仕組みをどう作るかが課題だ。第一義的には、完膚なきまで壊れたといっていい自民党が早く回復し、受け皿になる力をつけることだろう。公明党は、第三の党として、片方の手で、民主党の独断専行を攻撃し、もう片方で、自民党の再建に必要ならばサポートすることだろう。と同時に、民主党の政策で国民本位のものは助長し、自民党があらぬ方向を向く時はしっかりとたしなめる。つまりは、両方に是々非々の立場で、しばし、背伸びせずに自己改革力をしっかりとつけていくしかない。


 45年前に「福祉の党、教育の党、平和の党」として出発した公明党は、様々な戦いを経てこの10年、「新しい福祉、教育、平和の党」として様々な政策展開をしてきた。さらなる舞台は、この10年の経験を跳躍台にして、「より先進的な福祉、教育、平和の党」として蘇らねばならない。その際のキーワードは「人道」ということになろう。