30日には、チェコのソボトカ上院議長ら一行が国会を訪問、衆議院外務委員会の有志メンバーがお会いし、懇談をした。チェコの首都プラハは、先にこの地で米国オバマ大統領が核廃絶の演説をしたことから、一気に世界の注目を浴びたことは周知の通り。この日の懇談でも、民主党、共産党の議員が、そのあたりについて触れ、世界唯一の被爆国・日本との連帯を強調していた。


 私は、「オーストリア、ドイツ、ポーランドとチェコを取り囲む三カ国に行ったことがあるが、残念ながら肝心のチェコには行ったことがない。ただし、かつてベストセラーになった小説『プラハの春』を読んだので、あたかも行ったかのような気がする」と述べたうえで、最近のロシアとチェコとの関係を訊いた。その小説は、1968年当時のチェコスロバキアにソ連が軍事介入したことをテーマにプラハ駐在の日本の外交官がラブロマンス仕立てで小説にしたもの。これにはノヴォトニー駐日大使が「『プラハの春』は日本の大使館職員だった春江一也さんが書いたのもだが、このほど映画化されることになっている」と紹介してくれた。議長は「ソ連との関係(通訳者はなぜかロシアと呼ばずに二度もこう言った)は独立した二国間関係だ」と簡単に述べるに留められた。あまり触れられたくない話題だったのかもしれない。


 次に、ソボトカ議長が医師、女性のセカニノヴァー議員が看護師の出身と経歴に書かれていたので、「医療関係の方が多いので訊くが、日本のように医師不足はあるのか」と訊いた。議長は「二人だけではなく、もう一人医師がいる。しかも保健(厚生)大臣経験者だ」と一行4人のうち3人までが医療関係に従事していた事実を述べたうえで、日本のような医師不足などはないなどと簡単にチェコの医療事情を紹介してくれた。


 一行は政府専用機で来日、環境相を訪問したあと国会に立ち寄り、東京外語大、自動車部品メーカーの(株)デンソーを視察。京都を経て広島を三泊四日で周るとのことだった。しっかり日本を見て欲しい。