昨日の本会議では4日間の会期延長が議決された。これに、自民党は欠席。公明党は出席して反対した。延長するのなら、党首討論や予算委員会での政治とカネをめぐる問題やら外交・防衛に関する集中審議があってしかるべきなのに、政府民主党は、全くしようとしない。やれば鳩山首相の母親からの献金疑惑をはじめ野党の追及攻めにあうから、ここはやらないでやり過ごそうという魂胆は浅ましい限り。約9億円ものお金を何に使ったのか。ご本人は相変わらず他人事だが、これだけ巨額の金を「修正申告します」では到底すまない。脱税の疑いは強いだけに、事態は深刻である。


 ところでこの日の質問に立ったのは、公明党のたった一人の新人・稲津久氏(北海道比例区選出)。30歳頃に私は、創価学会高等部の幹部として北海道を担当し、一定期間当時の高校生の人材グループを訓育させていただいたことがある。その時の一人が彼である。大学時代を経てのその後の個人史はあまり知らないが、道議会議員から公明党道代表になり、今回は地元から推挙され衆議院議員になった。後生畏るべしである。あの頃の私は後継の人材育成に懸命になっていた。東京、東北、北海道と毎年一年ずつ担当地域は変わったが、それぞれ後輩たちに魂魄を留める思いで指導にあたった。その甲斐あって東京のそのグループからは大学の教授はじめ、あらゆる分野に有為な人材が誕生したし、東北の中からは大新聞の経済部デスクも生まれ、そして北海道からは代議士も誕生した。別に私がどうこうしたわけではないものの、嬉しい限りだ。彼の初質問に自民党席が空白であったのは可哀相な感じがした。満場での演説をさせてやりたかったが、仕方ない。


 今日の本会議では、郵政3事業の株式売却を停止する法案が緊急に上程された。僅か二時間足らずの委員会審議で採決に持ち込んだ民主党政府には呆れる。もっとも採決に党内が割れると見られるためかどうか、この日も欠席した自民党も哀れだ。公明党は、政府が考える郵政改革の方向性が全く見えない状況でやみ雲にこの法案を通したいとする意図が見えないとして反対した。国民新党に対する配慮ばかりが際立つ、この法案取り扱いの態度に疑問は募るばかり。