内政干渉かもしれないが、民主党の党首選びにはいささか不思議に思うことがある。最大のものは、なぜ代表経験者しか候補に出てこないのかという点である。勿論、政権を奪取したわけではないのだから、いいではないかとの考えもあろうが、人材不足は否めず、よそごとながら気にかかる。中堅、若手に優秀な面々がいるのに、と。


 鳩山さんは、西松建設問題で小沢さんの第一秘書が逮捕された当時、党首が辞めるなら自分も、と言っていたはず。それについて殆ど弁明もないまま党首選に挑まれるというのも変だ。メディアの報ずるところでは、鳩山さんは小沢さんの傀儡であるかのごとき様相を呈している。では、岡田さんが全く自由な立場かといえば、さにあらず。五十歩百歩であろう。それもこれも、党内での大論争を国民の前でやってくれれば、わかりやすい。尤も、そんなことをすれば、敵の思う壺ということで、避けたに違いないことも分かるが・・・。


 それやこれや、台所事情は痛いほど分かるだけに、つべこべこちらが口を挟むべきではなかろう。大体、結果として、本格的な党首選挙を公開でやったことがない党の人間が偉そうなことをいうな、との声が聞こえてきそうである。ただ、それは自民党や民主党などのような一定の容量を持った政党との違いであって、公明党以下の政党では小さすぎてトップ選びはなかなか難しい。50人程度といった派閥、グループぐらいの規模では、衆目が一致するところに落ち着くのが常識であって、何でもかんでも選挙というわけにはいかない。公明党も党首選挙が実質的に出来るほどの大きさに早くなって、堂々と党首選挙を行うようになりたいものと、つくづく思う。


 ともあれ、民主党には早く態勢を整えていただき、未曾有の経済危機を超党派で乗り越えることが可能になるように、成熟した政党として歩んでいただきたい。二大政党制というものを認めて、政権交代を求めるのなら、やはり「早く生い立て民主党」というほかない。