憲法記念日を前に、憲政記念館で開かれた「新しい憲法を制定する推進大会」に公明党を代表して参加した。以下は、その時の私の発言要旨。


 学校を出て公明新聞の記者になったのが、今からちょうど40年前。その頃、私たちの立場は護憲で、自衛隊は限りなく憲法違反の疑いが濃い存在である、との憲法解釈に立っていました。改憲派を厳しく批判しており、40年経って中曽根先生と一緒にこうした自主憲法制定の会合にでるようになるとは、夢にも思いませんでした。ただし、その後は、10年おきに節目を向かえ、ほぼ30年前頃には、自衛隊は合憲の存在であるというように、憲法解釈を変更、20年前あたりには、湾岸戦争のあと、カンボディアPKOへの自衛隊派遣に全力をあげ、10年前頃からは、与党の一員として周辺事態法の成立に尽力したり、アフガン、イラクへの自衛隊の関与に取り組みました。この辺りのことについては、先に毎日新聞「時代の風」に寄稿された五百旗頭真防衛大学校長の「予測を超えた20年の情景」に書かれていた通りです。つまり、一歩一歩の足取りは小さく、遅くても、20年のスパンで見ると、はるけくもきたものよ、との思いがよぎります。あの論文、非常によくできていると感心しました。ただ、画竜点睛を欠いていると思ったのは、公明党が政権についたからこそ実現した道のりだったということが書かれていない点でした。


 五百旗頭真先生も右の勢力からいろいろ批判されておられるようですが、私ども公明党も同様で、右からは生ぬるいとされ、左からは、解釈改憲の権化のように言われております。公明党の憲法に対する態度は、ご承知の通り、加憲で、まずは、環境権やプライバシー権を加えようとの立場です。9条をめぐっては、1項、2項とも堅持し、3項に自衛隊の位置を明記すべきだとか、国際貢献について新しく加えるべきだとか、様々な意見がでており、未だ収束しえていません。そういったところも含めて憲法審査会の3年間でしっかりと議論をしようと思っておりましたのに、民主党さんの反対で全くそうしたことが出来ぬままに時がすぎようとしているのは真に残念というほかありません。是非とも、早急に憲法審査会が開けるようにして、徹底した議論を行っていきたいものと考えております。