日曜日の西宮市での語る会では、わきあいあいとした雰囲気の中で、一時間半ほど双方向でのやり取りをさせていただいた。まず皆さんの方から、疑問に思われることをお聞きし、そのうえで、私からまとめて整理したうえで、お答えし、さらにまた引き続き質問をお受けするとのやり方をとった。一問一答方式だと、どうしても限られた人だけの発言になるために、できるだけ大勢の方々に意見を述べてもらおうとの工夫をしたつもりだった。


 20人ほどの壮年、女性の方々の参加だったが、最後にある女性から痛烈な意見を頂いた。それは、日本の安全保障に対する公明党の取り組みに納得がいかないというもので、イラクやアフガンに対する自衛隊の参加に至る経緯を見ると、自民党に同調する公明党の政策転換は、日米ガイドラインあたりから端を発しているのではないか、と見方であった。


 質問された女性は、ブッシュ米政権が「イラク軍事介入」を強め、それを日本の小泉政権が支持し、また公明党が容認したことは、誤りだったのではないかとの観点から、公明党の安保政策に疑問を持っておられた。


 私は、他国の平和に自衛隊が一切関与しない、といった「絶対的平和主義」の観点からは誤りだったとの位置づけがなされるかもしれないが、国際政治の現実はそれを許さない、との見解を述べた。そのうえで、サマワでの自衛隊の活躍が無事におえられたことの意味は大きく、あの時に日本が何もせずに、非関与を続けていたら失うものは多かったに違いないとの考え方を述べた。こうした国際政治における政党の政策選択の是非については、支持者の中で見解を異にされる方々がおられてもやむをえないと述べた。


 さらに私は、湾岸戦争以降、公明党が国際社会において積極的に貢献する方途を探ってきたなかで、ガイドライン以降の取組みを進めてきたことを紹介した。一言で言えば、それは「行動する平和主義」というものであり、他国からの侵略にさえ自衛力の行使を否定するといった、憲法9条を意図的に狭く解釈した伝統的な左翼の、座して死を待つ「硬直した平和主義」とは違うとの見解を述べた。


 参加者には、こうしたやりとりを通じて公明党理解が深まったと喜んでいただいたものと確信している。