橋下徹大阪府知事の話を聴いてみたい―14日の昼に大阪で開かれた府本部の新春年賀会に参加するに際し、こう期待していた。ちょうど一年前に、同じ会合で就任直前(選挙期間中)の彼に会ったが、当選後のこの一年で世間の彼への評価は大きく変わったと思う。当時は出馬する彼に対し、ボロクソに言う人が多かった。「なんであんなんが府知事に出るねん。大阪の弁護士仲間であいつを評価するもんなんかおらへんで」―ある有能な弁護士の弁だ。「まさか、公明党は応援しないでしょうね。ややこしい人らしいですよ」―旧知の府庁担当記者の声だ。総じて評判の悪かった橋下徹。ところが、今ではどうか。私が各地で様々な人たちと会い、少し突っ込んで今の政治の話になり、リーダー論に及ぶと、何人かは必ず「中央に橋下さんのような力のある人が一人でもいたらどんなにいいか」と言われる。誠に、代議士として立場がないというか、恥ずかしい思いがすることがある。


 発売中の総合雑誌の二月号に「暴れん坊知事、官と戦う」と題して、堺屋太一氏と対談しているが、府政における無駄の排除から、大阪の教育改革にいたるまで、誠に気持ちよくなで切りしており、面白い。言うだけでなく、実際に辣腕を奮っているだけに凄い。


 さて、一年ぶりのナマ知事は?いやはや、見事だった。白浜府本部代表にいかにお世話になってきたか。公明党の支援なくして、地方分権の戦いは進まないこと等々。持ち上げ方のうまいことといったらなかなか。もっとも、「10年後に府庁なんかないですから」との発言、いかにもこの人らしくて、府民でないものには面白く聞けたが、隣にいたある府下の首長は、「まったくあんなことばっかりゆうて。中身なんもない話ばっかりや。しようもない」―とバッサリ。少し周辺に取材してみたが、当然ながらやはりあれこれ評価はわかれてはいる。府庁の10年後よりも、ご自身の3年後の方が心配かも。