「(年越し派遣村には)本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかという気もした。(かつての学生運動において)学内を開放しろ、学長でてこいといった要求があったが、そういう戦略が、かいまみえる気がした」―坂本総務大臣政務官の仕事始め式での発言だ。いかにも直截すぎる。今の政治情勢、自らの立場を考えれば、不適切にすぎる。すでに撤回し、陳謝されているのは当然だ。


 5日の産経新聞紙上で、作家の曽野綾子さんが「日本には国家が何も指導しなくても、国中の隅々に、こつこつと技術革新のために働き続ける『国家の宝』のような人たちがいる。(中略)世界中のどこでも、職がなければ、安い労賃でも辛い仕事でも、とりあえず納得して働くのだ。日本社会程度の常識があれば、景気がよくなれば落ち込んだ分を必ず補正するだろう。今はとりあえず生き延びればいいとすべきなのだ」といったコラムを書いておられたが、雇用をめぐる発言を与党政治家がするなら、こうしたものを引用するにとどめるべきかもしれない。


 同じ日、その年越し派遣村の湯浅誠村長らが国会に緊急対策を求める誓願デモを行った。公明党は野党と一緒にその請願を受けた。その際に、請願デモ隊の人たちが、公明党議員団に対し「お前たちのせいだ」と叫びながら掴み掛からんばかりで詰め寄られる一幕があったという。筋違いもはなはだしいと思いはするものの、雇用危機は政治災害とする野党の攻撃の前に、責任与党としては甘んじて受けざるをえないといえよう。


 6日は、中川財務相の第二次補正予算案を説明した財政演説を受けての与野党の代表質問。夕刻には、今朝未明に急逝した元神戸市議会副議長で公明党兵庫県本部副代表だった片岡雄作さんの弔問のために、急遽帰神した。