今日(5日)から通常国会が始まった。例年と違い早い開幕。いきなり財政演説で口火が切られた。終日、召集にまつわる行事に奔走しつつ、新年の挨拶を受けて過ごした。


 3日に今年初の街頭演説を、尼崎と神戸で、それぞれ冬柴、赤羽両氏と一緒に。そこで私は、三つのキーワードを軸に、この一年間の展望を含めての演説をした。少し、加筆訂正して再録する。


 まず、「百年に一度の危機」―米国発の金融危機が、世界同時不況をもたらしかねないと危惧されている。あの1929年の大恐慌の再来を恐れる米国を対岸の火事とせず、相呼応して 1)生活支援 2)雇用対策 3)中小企業政策などの緊急総合経済対策を着実に打たねばならない。総額二兆円の定額給付金は、一次、二次補正、本予算合わせて約75兆円余におよぶ景気対策の一部。今回の未曾有の事態を、国民こぞって立ち向かうために下支えする意味、役割を持つ。かの大恐慌は、ニューディール政策で打開されたと強調されがちだが、やがて世界大戦へと繋がったことを忘れてはならない。


 ついで、「連立十年の節目」だ。自民党と公明党が連立政権を組んで十年。この間に、“国民目線”の政治と“国家目線”の政治の必要性を双方が学び合った。両者が足らざるを補う形での二人三脚が、節目を迎えて、そのバランスシートが問われる時がきた。公明党的には、政権担当政党の必要にして十分な資格を培ったし、不十分ながらも「清潔」「平和」「福祉」などの各分野で、自民党に楔を打ち込んできた。いま、十年の歳月が流れ、総括すべき段階を迎えたといえよう。


 最後に「この一年の選択」である。言うまでもなく今年は、衆議院の解散・総選挙がある。ここでいま、民主党主軸政権への交代が叫ばれている。しかし、冷静に考えれば、政治と言うものは、所詮「よりまし選択」である。自公政権が理想的な政権に遠いからと言って、民主党主軸の政権にいま直ちに、交代していいのかが問われる。内政、外交・安保など重要課題で党内に政策的亀裂を抱え、あまつさえ社民党や共産党の助けを借りねばならぬ事態もあり得る集団に任せていいのか。似たり寄ったりだったら、新しい方がいいとはならない。よりどちらがましなのかが見定められる選択の年が今年なのだ。