今日19日は、淡路島の南端に近い南あわじ市三原町で街頭演説をしたあと、50人ほどの皆さんとしっかり握手した。そこへある婦人から、「行政改革ってホントにできるんですか。官僚を今の政治家たちが押さえられるとは思えない」―と投げ掛けられた。このテーマは今の日本の政治の最大の焦点だ。小沢民主党は、官僚支配から政治支配へ転換するため、各省庁に二百人からの政治家を張りつけるという。今の三倍ぐらいと言えよう。果たしてそんなやり方で功を奏するかどうか。ただ政権交代が与える官僚への恐怖感はそれなりにインパクトは強いと思われる。簡単なことではないが、ここは最大の勝負どころだ。


 高速バスを降りると、今度は姫路の知人から、「地方自治体の役人の報酬は高過ぎないか。大した仕事をしていなくても、高額の収入や退職金を得ている。その点、橋下大阪府知事は偉い。国政でも彼のように大なたを振るう人がでてほしい」―電話の向こうから自治体の不正経理への怒りが伝わってくる。


 午後からは、西宮のホテルで開かれた詩吟の会に出席した。実はこの康山会というグループは、私の44年来の親友が会長を務めており、今年が創立20周年を迎える。忙中閑あり、ひとときを吟詠鑑賞ですごした。詩吟を嗜む人たちは圧倒的に女性が多い。見事な声音にすっかり癒された。挨拶では、「東京から故郷・姫路に帰って、選挙に初めてでて落選した。その時は、故郷は遠きにありて思ふものだと嘆いたが、苦節三年、当選した際には、故郷の山はありがたきかなと思った」などと、室生犀星と石川啄木の歌のさわりを引きながら、高校の教師と詩吟の師匠の二足のわらじを見事にはき続けてきた友を讃えた。記念の大会とあって、ハンマーダルシマーという珍しい楽器の演奏や、吟詠に合わせて書家が大きな紙に筆を走らせるといったものも見せて貰った。芸は身を助けるというが、無芸の身としてはただ感心するしかない。