道路特定財源問題や日銀総裁人事に関心が集中しがちな今国会ですが、他にも当然ながら大事な課題は山積しています。自衛隊の海外派遣をめぐる一般法(恒久法)についてはその最たるものでしょう。基本的な考え方を示します。
「アフガン」や「イラク」など海外で特別な事態を迎えるたびに、日本は特別措置法の名の下に、新たな法律を作ってきました。国連平和維持活動は、基本的に紛争状態が終わっている状況の中でしか発動しえないからです。「カンボジア」や「東チモール」などではPKO法に従って派遣された自衛隊員が活躍し、多くの成果をあげましたが、上記のケースでは、国連の対応も困難をきわめたのは周知の通りです。
このため、これから新たな事態が国際社会のなかで起こった際に、慌てて特別措置法を作るのではなく、一般的に通じる法律を予め作っておこうという考えが起きてきました。これに対して、公明党としては、PKO法制定に尽力した経緯もあり、あくまでこの法の範囲を超えない範囲で海外に派遣することにこだわってきました。つまり、PKO法が認めない場合には派遣しないとの方針を遵守してきたのです。
しかし、頑なにPKO法にのみこだわるだけでは、新たな事態に無力なことから、一般法についての議論をし、論点を整理しておくべきではないかとの考えも根強くあります。私自身はこれまでその立場での主張をしてきました。憲法の枠をこえない観点で、一般法を考えることは、公明党の「新しい平和主義」と矛盾しないからです。北側党幹事長も、様々な機会に 1)憲法の枠内 2)国会の関与(文民統制の確保) 3)武器使用の範囲―が大きな問題だとして、「しっかりと論議して一致点が見いだせれば、法案として国会に提出することも視野に入ってくる」と述べています。