「入国管理の仕組みを少し緩めていただければ、それはもう簡単に」-日中国交正常化35周年を記念する「日中相互交流拡大の集い」が8日、都内のホテルで開かれた。その際に挨拶に立った王毅中国大使は、現在年間80万人ちょっとしか中国からの旅行者がいない現状について触れ、「世界各国へ中国からは3450万人も出ている。そのうち1割としても350万人ぐらいは、日本にきてもおかしくない。日本は近いし、刺身もうまいのだし」と。


 この会の冒頭で挨拶に立った冬柴国土交通相も、日中相互の訪問数が昨年度で約456万人であるものの、圧倒的に日本から中国へ行く人が多く、逆のケースがきわめて少ないとし、これから明年の北京五輪大会などに向けて大幅に改善していきたいむねの決意を述べていた。


 ちょうど同じ日に、私が早朝ランニングの最中にニュースをラジオで聴いていると、中国人のグループが偽の招待状を持ってある国に入国しようとして税関で見つかり、追い返された旨の報道があった。残念ながら日本でも入国した後に、中国人が犯罪を犯したり、失踪したりする事例が後を絶たない。こうしたことから、日本としては様々な形で、中国からの入国に慎重というのが実状。加えて、わが国は、中国との間で一般査証(ビザ)免除措置をやっていない(ちなみに韓国や台湾はビザ免除が措置されており、ビザなしで観光目的などの入国ができる)。王大使はそのあたりをどう理解されているのかまでは伺えなかった。他の国の間ではそういうトラブルはない、とおっしゃられても、残念ながら、はいそうですか、と言えないのが実態といえよう。