「全身黒焦げになってしまい、靴をはいていた足だけが・・・」「遺体をだきしめることさえ出来なかったなんて・・・」―涙でかすむ声を聞くのがとても辛かった。


 3年前に埼玉で発生したドン・キホーテでの連続放火事件によって家族を亡くした二組の遺族を党法務部会に招いて、悲痛なまでの声を聞いた。いかに現住建造物放火罪の量刑が軽いかについて、種々の角度からの意見表明を聴くとともに、法改正に向けての陳情を神崎武法常任顧問らとともに受けた。このなかで、遺族は口々に、放火をした犯人は、通常現場から逃げ去っており、被害者の死に様を見ていないだけに、およそ自らが犯した罪の重さを認識しないケースが殆どであることを強調された。


 犯罪被害者への法の不備がまだまだある現状について思いを新たにする一方、立法に携わる者としての精一杯の努力を誓った。


 この部会では、これに先立ち、朝鮮総連中央本部の土地・建物の所有権の移転をめぐっての元公安調査庁長官や元日弁連会長が関与したのではないかとみられる事件について公安調査庁の報告も聴いた。小泉訪朝がなされた02年9月17日以降、一段と減少傾向にあるという朝鮮総連所属の人たちは、今は約9万人。かつて最盛期には30万人といわれていただけに、三分の一以下という現状は、財政基盤にも多大の影響を与えていることが伺える。一方、韓国民団の方は40万人というから彼我の差は広がる一方。公安調査庁の元最高幹部がかかわったとされる事件に、当然ながら説明の歯切れも悪く、今一歩釈然としないものが残った。破壊活動防止法、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の二つの法の下に、17の指定団体を常にマークする同庁の日常は苦労多きものと、推察するものの、不祥事はご免こうむりたい。


 今国会の会期が12日間延長され、7月5日が会期末になった。このため参議院選挙の公示は12日に、そして投票日は29日ということに。さらなる拡大に果敢に挑戦していくべくチャンスだと、あくまでも前向きに受け止めて行きたい。