憲法改正の動きも、登山にたとえれば、ようやく3合目だー昨夜国会近くのホテルで開かれた、憲法調査議員連盟10周年記念のパーティでの中曽根康弘元首相の言葉だ。自民、民主、公明などの各政党の代表やら、経団連の高坂節三氏、慶應大教授の小林節氏らが顔を見せていた。私もこの会の副会長なのででかけた。中山太郎自民党憲法審査会長や、各党の代表が話をされたが、やはり中曽根康弘元首相の挨拶が注目された。


 中曽根さんは、かねて憲法改正に強い執念を持ってきた人だが、意外に慎重な口ぶりであり、決して逸らない話し振りであった。改正のための手続きとしての国民投票法が成立したからといっても、憲法改正とは直接結びつかないだけに当然なのだが、一般に明日にでも成立するかのごとき言動を弄する人が散見されるのは不可解だ。


 今日の午後には、公明党憲法調査会が開かれ、今後の党内論議についての進め方やら、次の国会以降に衆参両院に設置される憲法審査会での審議のありかたなどについて意見交換を行った。自民党も既に先日、この種の会合を開き、党内議論をはじめている。憲法については、まさに百家争鳴の観がするが、落ち着いた議論が望まれる。明治維新のあと、約22年程経っての帝国憲法。先の大戦での敗戦の後2年足らずでの現行憲法。前二者は共に歴史を画する大きな出来事の後始末の意味あいが強かった。今後新たにつくられるであろう新憲法は、“第三の開国”に呼応するものとはいえ、動きがにぶくなりがち。外圧がない状況下での初体験ゆえだろうか。