「長女の成人式が近かったので、その時に使うショールを買おうと、駅前のショッピングセンターに行きました。これが地獄の始まりでした」―8日午後に開かれた「公明党の特定商取引法・割賦販売法の改正に関するプロジェクトチーム」会議での席上、呉服の過量販売被害にあった女性(54歳)はこう話を切り出しました。月2万円くらいの支払いで済むからとの甘い言葉に乗せられたのが、発火点。気がついた時には次々と買わせられた商品の合計金額は2700万円近くにも。


 今一人は、被害者(64歳の母親)の代理で出席した息子さん。同じく、呉服などを5年半の間に6社から114件、7400万円(内クレジット件数50件、クレジット代金総額2900万円)も次々と購入させられたケースが報告された。この被害者の場合は精神のバランスを壊しており、契約締結能力や判断能力が不十分であったことが判明している。


 こうした悪質な商法による被害がこのところ続出。販売手法の悪質性に加えて、支払い能力を超えていることを知りながら、クレジット契約に応じる信販会社に問題があるとして、被害の相談に応じた弁護士たちが救済に立ち上がっている。たまたま、この救済運動の中心的役割を果たしている人物が、姫路在住で私とは旧知の山崎省吾弁護士。個人的にも積極的な支援を要請されてきた経緯もあり、この日は出席して、懇談的に意見交換をすることにした。


 クレジット過剰与信対策全国会議ならびにクレジット被害対策全国連絡会の名のもとに、この日集った弁護士さんたちは、「過剰与信」を許してしまう現行法制度を見直し、厳しい法規制を可能にするよう法改正を要請。


 被害に遭った人たちの方にも問題がないとはいえないものの、組織的かつ意図的に、巧妙に法の網をかいくぐって悪質な商法を展開して儲けようとするクレジット会社や各種小売業者を厳しくチェックする仕組みを作る必要を改めて痛感した。