国家公務員法の一部改正法案が7日、衆議院本会議を通過、参議院に送付されました。この法案は、国家公務員の天下り規制を強化するものとして、注目されてきたものだけに、残り少ない会期のなかで成立が望まれます。


 最大のポイントは、再就職のあっせんを一元的に管理する「官民人材交流センター」の透明性の確保であり、適切な運用が期待されます。今日の本会議で、政府提出の法案に反対の立場から討論に立った民主党議員は、このセンターの活用を中心に据えた今回の改正法案を一言で、「官尊民卑の発想」だと決めつけ、激しい反対論を展開していました。一般の労働者の再就職のあっせん窓口であるハローワークよりも、国家公務員の再就職にあたって、このセンターを重視するやり方を指して、批判していたわけです。これは、一見正当であるかに見えて、悪平等的発想といえましょう。もっとも、同法案に対して、民主党がこのところ続けていた採決を強行に妨害する愚挙にでなかったことには、ほっとしました。


 わが党議員の質問に答えて、安倍首相は先日、このセンターについて「再就職支援に十分に機能していくものでなくてはならない」としたうえで、1)人事の一環としてのあっせんから、センターによる再就職支援に重点を置く 2)センターを内閣府に置き、各府省からの中立性を徹底する 3)業務の徹底性と外部監視機関による厳格なチェックをする―などといった原則をもうけ、透明性、中立性を確保することを強調していました。しっかりと運用にあたってもらいたいものです。


 この国会の会期は今月23日まで。この法案も参議院に送られても、残りの期日で、仮に参議院で可決成立しないと、法案は廃案になってしまい、もう一度一から出直さなければならなくなります。それはなんとしても避けねばなりません。