昨日の私の発信は、いささか社会保険庁を守りすぎではないか。誰から指摘されたわけではないものの、本日昼に行われた院内での議員団会議でのやりとりから、改めて自覚するに至りました。なかなか大変な作業ではあったため、未処理データ件数が約5000万件残ったということをどう見るかという点がポイントです。懸命にやったが、残ってしまったと見るか、積極的な努力を怠り、単に事務処理として60歳になって年金を受け取る権利が生じる際に、年金記録を統合するだけだったかどうか、ということです。私は前者だと思いたいのですが、どうもそうではない、後者だとの見方が党内でも一般的です。


 わが党の福島豊議員は、先日の厚生労働委員会での質問で、平成9年の基礎年金番号に統合する段階で、十分な準備や対応をし、その後の作業に万全を尽くす必要があるとしていたらよかったのに、そうではなかったとし、その前年から準備を進めてきた当時の厚生大臣であった菅直人氏の責任に言及しました。これはテレビ朝日の報道ステーションでも田勢康弘(早大大学院教授)さんが「(当時)菅さんだって厚生大臣やってたわけですからね。あなた方(民主党)にだって責任あるだろうというのが国民の声だろうと思いますよね」と指摘しています。


 実は、この基礎年金番号導入がもたらす諸問題については、参議院公明党の山本保氏が平成8年の本会議で「多くの国民は、大丈夫なのか、と心配している」と指摘。それに、菅氏は「徹底した対策を講じ、万全を期してまいりたい」と答弁しているのです。


 小沢さん、菅さんら民主党は過去を忘れたかのごとく、「給付につながらないのは、ねこばばの構造だ」(菅直人氏)などと安倍政権批判の最大の武器として攻撃していますが、首をかしげざるをえません。この問題は与野党を超えて真摯に取り組むべきものです。「(菅氏に)責任がないとは言い切れない。人事(ひとごと)のように批判すること自体、責任逃れではないだろうか」(産経新聞5月30日付け『主張』)との指摘が的を射ていると言えましょう。