珠算2級から、答えがマイナスになる計算がでてきます。

 

 (そろばん、マイナスになるときの計算手順)

・・ひけなくなったら ひとつ左のけたに1をたしてから計算をつづけて、最後の口がおわったら 答えにマイナスをつけて、それぞれのけたの空いている珠の数を書き込み、1の位のあいている珠の数にだけ +1 する 

 


なんでこれで答えが合うの? 

というギモンをもつ小学生もいるので解説します


 

 授業では解法をおしえますが、詳細は説明はしていません。このことを理解していなくても、とりあえず手順さえおぼえておけば答えは合うので、とくに理解する必要はありませんが、かんがえることはたのしいですよね。 理解したほうがたのしいですね

 


① 補数について

そろばんは、

それぞれのけたで 0~9の数字を珠の配置であらわすことができます。 

 

たとえば、6の数字をそろばんにあらわすとき、下の図のようになります

 

このときの、あいている珠であらわされる数(この場合3 は、

「9の補数」 と呼ばれます。

 9の補数は、"9にするためにあといくつ必要ですか"という数です。 

 

もとの数 6 にたいして、

 9にするためには、あと [3]  必要なので、

    6 + [3] = 9

   これは、6から9をひいたとき

 マイナスいくつ?  のこたえと同じです。

    6 - 9 = -[3] 

 

「9ひいたときにマイナスいくつか? あいている珠をみればわかる」

 

 たとえば、36 のとき、そろばんのかたちは下の図のようになります

このとき、 

 十の位で9をひいたら →  十位の補数は  6

 一の位で9をひいたら →  一位の補数は

だから、

 36 - 99 = -63

 

 ここまでの説明で、 それぞれのけたで  9引いたときマイナスいくつか? あいている珠をみればわかる ということをわかった上で、次に本題です

 

② 答えがマイナスになる計算では

(例題)324-832=?

 

 324 から 832 をひくと、本来マイナスになってしまいますが、そろばんのうえではマイナスを表す方法がない!

 

 だからどうするかというと、

 「いちど1000をたして 途中計算して、さいごに1000を引く」

 というやり方をとります。 

 

そろばんに、まず 324 をおく (下図)

つぎに、-832 はできないので、一旦、1,000 を足す(下図)

そこからー832をする

 

さきほど足した1000を最後に引かないといけません。

 

 これがポイントです↓

 「1000をひく 」は、

「999をひく」 と 「1をひく」

に分ける

 

 そろばんではマイナスを表す方法がないから、引けないんじゃないかと思うかもしれませんが、先ほどの前置きで示したことを思い出してください。 

「それぞれのけたで9を引いたときに マイナスいくつか、空いている珠をみればわかる」

  999を引いたときにマイナスいくつか?は、わかります。

そろばんのあいている珠、つまり9の補数をみてください。

下の図

  百位:5、

  十位:0、

  一位:7

 それぞれの桁の9の補数は、それぞれのけたで9を引いたときのマイナスの値ですので、 そろばんの数から999を引くと、 ー507 になる ということです 。

 

そして、ここから 1をひきます

-507 から -1 すると、 -508 です。

というわけで、

    324-832 = -508 

と答えをだすことができます。