知り合いの方が入院された。
癌である。
手術はしないそうだ。
しばらくは抗がん剤で効き目をみていく。
手術をしないということは、あまりよくはないのだろう。
入院した病院が私と同じだったので、
お見舞いに行ってきた。
まだ副作用はでていない。
2週間サイクルで効き目を見ていく。
副作用が出ていないということは、
あまり効果がなかったということなのだろうか。
病室の窓からは、大型量販店の屋上駐車場が見える。
ちょうど1年前に
この病室から見える風景を自分が見ていたことを思い出した。
あの時は、道歩く人々を見て心底うらやましいと思った。
車を運転できること。
自販機でジュースを買うこと。
泣きわめく子どもの手を引っ張って歩くこと。
みな幸せなことなのだ。
そして、1年たち、自分が歩いてこの病室に見舞いにきていることも、
幸せなことだと思った。
生きていれば何でもできる。
多少の失敗や間違いなど恐るるに足らない。
最後に、「絶対に治りますから。」
と力強く話して帰ってきた。