闘病記26(術後11日目花火大会) | 胃のない生活闘病記

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2011年7月胃がんの宣告。胃全摘出手術。幸い早期ガンではありましたが、安心はできません。5年間転移をしないことを祈りながら、自分の経験が、胃がんを患ってしまった方のためになればと思いブログを書きます。

まずは昨夜の
花火大会のことから

さすがK市最大の
イベントだけあって
すごかった。

開始直前に
一番よく見える場所に
隣のA氏と一緒に行く。

そこは病室ではあるが
現在誰も使っていないので
今日は開放されて
いるらしい。

すでに椅子が何席も
用意されていた。

次にガンが骨まで
転移しているK氏が
やってきた。

今日は腕はあまり
痛まないようだ。

私の後ろには
酸素マスクをつけた
おじいちゃんが
アフアフ言いながら
見ている。

そのうち御婦人たちも
やってきてにぎやかに
なってきた。

何せ楽しみもあまりない
入院生活だ。

一発花火が打ち上がる度に
歓声があがる。

人の人生なぞ花火の
ようなものかも知れない。
どんと上がってパッと
散る。
そしてまた上がる。

生死をひたすら
今まで何千何万回と
繰り返してきたのだろう。

永い年月から見れば
人のー生など花火の如く
一瞬にすぎない。

私がガンになって様々に
苦悩してきたことすら
ほんの一瞬のことなのだ。

ー瞬のような人生だから
皆精一杯生きようとする
のか。

そんな花火を見ているうちに
「よし、元気になったら
もう一度花火を
打ち上げてやろう。」
と決心した。

回診の時、主治医から
「来週末あたり退院だよ。」
と言われる。

ついに来たか。
この時が...

長かった点滴生活も
今日で終わりだ。

腹帯もとれ
ドレーンのための穴を
塞ぐためのテープ以外は
全て取り外された。

今日から風呂も一人で
入っていい。

当たり前の生活が
こんなにもうれしいとは...

そう言えば、
術後始めて外を歩いた時
風が何と心地よかった
ことか。

山や空が本当に輝いて
見えた。

回複も順調だ。
やっと自分が1つの
峰を越えることが
できたような気がする。