Brian Dorsey 

 

 米ミズーリ州で9日に死刑が執行される予定の男Brian Dorsey (52)について、

 

看守や職員など数十人が Mike Parson 州知事に恩赦を求めています。

 

Brianは著しい更生ぶりを見せており、死刑判決は不当だったと支援者側は主張。

 

 

Ben Bonnie, Sarah Bonnie and their daughter Jade

 

 

Brian Dorsey死刑囚は2006年、いとこの Sarah Bonnieさんと夫のBen さんを

 

殺害した罪で死刑判決を言い渡されました。

 

 

恩赦を求める嘆願書では、Brian死刑囚が2人の殺害を深く悔いていると主張。

 

当時Brian死刑囚は薬物による精神疾患や飲酒による記憶喪失の症状があり、

 

第1級殺人罪で有罪を言い渡すために必要な条件には該当しないとしています。

 

 

Brian死刑囚は罪状を受け入れており、以来、拘置所での懲戒歴は一切なく、

 

絶大な信頼が求められる看守の理髪師の仕事を続けています。

 

 

恩赦の嘆願は看守ら70人あまりのほか、裁判を担当した陪審員5人、

 

ミズーリ州最高裁の元判事、同州出身の共和党議員少なくとも3人が支持。

 

 

嘆願ではさらに、Brian死刑囚の裁判を担当した弁護士2人について、

 

「金銭的利益の相反」のために無力だった。弁護士に支払われたのは一律の報酬

 

1万2000ドルのみ。もしも死刑が求刑された事件で一般的な数千時間の労働を

 

していたとすると、時給約3.37ドルにしかならない。

 

 

友人や家族の多くも死刑執行に反対して、Parson知事に手紙で恩赦を求めています。

 

 

 

一方で、被害者の遺族は今も死刑執行を支持。

 

 Sarah Bonnieさんの遺族はBrianドーシー死刑囚について

 

「困難な状況から抜け出すための安全な場所を与えられたのに、

 

助けようとするその手を、愛する者に対する究極の裏切り行為に変えてしまった」

 

 

幼い頃に両親を奪われたBonnieさん夫妻の娘Jade(当時4歳)は、

 

人生の大切な時に両親がいないまま成長しなければならなかった。

 

 

嘆願書では、

 

「Brian死刑囚らは永遠に Bonnieさん夫妻の死をいたみ続けるだろう」

 

「どんな言葉もどんな努力もこの悲劇の痛みを和らげることはできない。

 

我々の意図は、これ以上被害を増やすことではない。その逆だ」

 

 

Barbed wire fences encircles the Potosi Correctional Center 

 

 

嘆願書によると、Brian死刑囚は長い間、慢性のうつと闘っており、

 

飲酒したりクラックコカインを使用したりして事件当時は離脱症状が出ていた。

 

 

ミズーリ州最高裁判所の先月の判決によると、

 

事件が起きたのは06年12月23日。Brian死刑囚はその数時間前、

 

いとこの Sarah さんに電話で助けを求め、麻薬密売人2人が部屋に来ていて

 

金を払わなければならないと訴えました。

 

 

Sarah さんとBenさん夫妻がBrian死刑囚の部屋を尋ねると、密売人は立ち去り

 

ました。夫妻は自分たちの家にBrian死刑囚を連れて帰り、一緒に飲んだりビリヤード

 

をしたりして過ごしました。

 

ところがその夜遅く、Brian死刑囚は散弾銃を持って夫妻の寝室に入り、

 

至近距離から2人を射殺。

 

Brian死刑囚は夫妻の持ち物と Sarah さんの車を盗み、盗んだ物を売って借金を

 

返そうとしました。

 

夫妻の遺体は翌日、 Sarah さんの両親が発見。

 

当時4歳だった娘Jadeちゃんは家に1人で取り残されていました。

 

 

Brian死刑囚は12月26日に出頭し、第1級殺人で起訴され、

 

08年3月に罪状を認めました。死刑判決は上訴審でも支持されました。

 

 

 

Parson知事の広報は、4日、恩赦の嘆願について検討していると述べました。

 

一般的には死刑執行の日の24時間前までに決定が発表されます。

 

 

Brian死刑囚は今も州裁判所と連邦裁判所の両方に訴えを起こしています。

 

これによって死刑執行が中止される可能性もあります。

 

死刑囚は一般的に、刑執行の直前まで訴訟を継続します。