米カリフォルニア州ロングビーチに拠点を置く新興企業 JetZero は、
翼胴一体型の Blended Wing Body機の1対8スケールの実証機「pathfinder」が
米連邦航空局(FAA)から耐空証明を付与されたと発表。
間もなく試験飛行が始まります。
Tom O'Leary
共同創業者トム・オリアリー最高経営責任者(CEO)は昨年8月、
「大型機の排出量ゼロに至る道筋に強い思い入れを持っている。
Blended Wingの機体なら燃料の燃焼と排出を50%低減できる」
「航空業界の従来の状況に比べめざましい前進だ」
と語りました。
Blended Wingのコンセプトは新しいものではなく、1920年代後半のドイツに
さかのぼり、47年には、米国の航空機設計者で実業家でもあった
ジャック・ノースロップがジェット推進する全翼機のデザインを考案。
John Knudsen Northrop
NASAの実験機「X48」/NASA
Blended Wingは全翼機と従来の「Tube and Wing 機(円筒形の胴体と主翼からなる
航空機)」の一種のハイブリッド。
機体全体で揚力を発生させて空気抵抗を最小限に抑えます。
米航空宇宙局(NASA)はこの機体形状について
「燃費向上の助けとなるほか、機体中央部により大きな積載スペースを生み出す」
と指摘。
2007年から12年にかけて、無人で遠隔操作可能な2機のX48を使い
120回を超える試験飛行を行いました。
NASAは
「このタイプの航空機はボーイング747よりも翼幅がわずかに長いだけ
なので、既存の空港ターミナルで運用可能だ」
「同程度に高度な既存の輸送機に比べ重量や騒音、CO2排出量が少なく、
運用コストも安い」
と指摘。