Haiti Map and Satellite Image

 

 

 

 

 ギャングが支配するカリブ海の島国ハイチの首都ポルトープランス。

 

CNN取材班は15日に訪れました。

 

 

先月訪れた時と比較して、ハイチの情勢は急激に悪化。

 

 

 

 

 

 Ariel Henry

 

窮地に陥ったアンリ首相は辞任を表明。

 

誰がいつ後任に就くのかは不透明。

 

暫定政権は設立しておらず、ケニア主導の国際部隊の派遣計画は宙に浮いた状態。

 

 

ポルトープランスの住民が外出することは減り、市内では連日ギャングと警察が戦闘

 

を繰り広げ、煙が空に立ち上っています。

 

静まり返った街路に、銃声が鳴り響き、大通りは閑散。

 

逃げる場所もほとんどなく、市外へ続く道路はギャングにより封鎖されています。

 

港湾へのアクセスも同様。

 

国際空港は業務を停止。

 

市内への物流は途絶え、食料品店に食料は並んでいません。

 

ガソリンスタンドでは燃料は底をついています。

 

病院では輸血用の血液が不足。

 

 

 

15日夜、市内の丘陵地で銃声が聞こえました。

 

そこから下った地点で警察が活動している場所は、ギャングのリーダーの縄張り

 

の場所です。

 

 

 

Jimmy Chérizier (born 1976 or 1977), nicknamed Barbecue 

 

元警官であるこのリーダー、ジミー・シュリジエ氏は「バーベキュー」の通称で

 

知られています。

 

 

ポルトープランスを脱出する手段は民間が稼働しているヘリコプターだけです。

 

空路での脱出を依頼している住民は数百人。

 

彼らは一握りの裕福な外国人や外交官で、民間のヘリコプターを利用できるだけの

 

財力と人脈を持ち合わせた人々です。

 

機体の座席は1人分で1万ドル(約150万円)を超え。

 

 

過去数十年間で経済格差が深刻化したハイチでは、大半の国民が1日4ドル以下で

 

生活をしています。

 

 

Port-au-Prince市内

 

ヘリコプターの音が聞こえるのは決まって夜と早朝。

 

ポルトープランスの住民は、機体によって音の違いも分かるといいます。

 

 

小型の民間のヘリコプターが隣国のドミニカ共和国から到着したり、より大型の軍用

 

ヘリも飛行。後者は米国などの外交使節が使用。

 

 

どれだけの金額を注ぎ込み、計画を立てても、交戦地帯を飛行する危険性が緩和する

 

ことはありません。

 

ヘリコプターのパイロットたちは、空路の脱出を請け負うのに一段と慎重になって

 

います。

 

 

 

取材に答えた2人のパイロットは、脱出のための飛行中に発砲された時のことを

 

語りました。

 

弾丸が飛んでくる金属音を聞けば二度と飛びたくなくなる。

 

市全土がギャングに統治されており、どこから発砲されるか予測ができない。

 

 

 

 

国連の推計によれば、現在ポルトープランスの8割をギャングが支配。

 

 

ハイチの国家警察は果敢に反撃しているが、一度に広範囲へ対応することはできず、

 

警官側が標的になることが多く、この2週間で複数の警察署が襲撃もしくは焼き討ち

 

に遭いました。

 

 

 

 

ポルトープランスにとっての最後の希望は、

 

外国の軍隊の配備によって警察を補強し、ギャングに立ち向かうこと。

 

アンリ首相が要請したこの任務は国連安保理が承認。

 

ケニアによって主導されています。

 

同首相は先週ケニアで、同国の警官1000人をハイチに派遣する協定に署名。

 

しかし、こうした援軍がポルトープランスにやってくる望みは薄い。

 

 

アンリ氏の辞任表明を受け、ケニアは部隊の派遣を延期すると発表。

 

ハイチの政権が不安定だというのがその理由。