A destroyed building at the site of a US airstrike in Al Qaim, Iraq, February 3, 2024.

 

米軍によるイラク、シリアの空爆で死亡した学生イラク人の兄が、

 

遺族の心境を訴え、「米国の責任を問う」と言いました。

 

 

Abdulrahman Khaledさん(20)は3日未明、シリア国境に近いアンバル州

 

アルカイムの自宅近くで死亡。

 

遺族によれば、親イラン民兵組織の武器庫として使われていた民家3棟が攻撃を

 

受けた際の2次爆発に巻き込まれたとみられています。

 

 

近くに住む兄Anmar さんは語りました。

 

深夜0時すぎに空爆の音が響き、大規模な火災が発生。

 

その後4時間にわたり、暴発した武器庫のロケット弾が飛び交い、集落内の複数の

 

民家に着弾。

 

「弟は即死だった」

 

「母には遺体の状態を伝えていない。母は悲嘆にくれながら、弟がいつか帰ってくる

 

と思い続けている」

 

 

 

米軍の空爆は、ヨルダンの米軍基地で先月29日に米兵3人が死亡した

 

ドローン攻撃への報復措置でした。

 

約30分間の空爆でイラクとシリアの計7カ所にある85の標的を攻撃。

 

米ホワイトハウスは「成功」と発表。

 

 

イラク政府によると、空爆で少なくとも16人が死亡。

 

 

 

Anmar さんは、米国が事前に警告を発していれば弟のような民間人の命は助かった

 

かもしれないと指摘。

 

「武器庫がそこにあると分かっていたなら、地域の住民になぜ警告しなかったのか」

 

「せめて攻撃前にビラをまいていたら、家から避難する時間もあったのに」

 

「米国に弟を殺害した責任を問う」

 

と語りました。

 

Abdulrahman Khaledさん(右)

 

 

空爆現場の破壊された建物

 

 

イラク政府は米国の空爆について、同国の主権を侵害する行為だと非難。

 

 

米国家安全保障会議のカービー戦略広報担当調整官は、先週末、米国が空爆前に

 

イラクに通告したと述べたが、イラク側はこれを否定。

 

ホワイトハウスは6日に事前通告がなかったことを認め、カービー氏は謝罪

 

しました。

 

 

バイデン米大統領は、米軍による報復攻撃を今後も続行すると予告。

 

これに対してイラク政府は、米軍の攻撃でイラクと地域全体の治安状況は危機に陥る

 

と非難。