”Images of a Woman”
１９６６年夏にビートルズは武道館で、３日間で５公演という来日ツアー中、
ステージ以外の時間は東京ヒルトンホテルのプレジデンシャルスイートにこもり、
作品 ”Images of a Woman” を製作していました。
４人が共同製作した唯一の作品とも言われているこの絵は、来年２月１日にNYの
オークションハウスChristie'sで競売にかけられます。
推定落札価格は４０万～６０万ドル（約５７００万～８５４０万円）。
この作品は２１．５×３１インチ（約５４．６×７８．７センチ）。
Christie'sの Casey Dodgers氏は、
「ビートルズの歴史の目くるめく瞬間を具現化した作品だ」
「音楽作品以外でビートルズ４人が寄与し、こうして紙の上に作品として物理的に
形になった記念品は非常に珍しい」
「貴重なお宝で、アート作品だ。おそらくこれまで以上に大勢のコレクターから
注目されるだろう。ストーリーのある逸品だ」
と述べました。
伝えられているところによれば、
ビートルズの４人は６６年のツアーで日本に約１００時間滞在しました。
パフォーマンス以外は、安全を懸念した地元当局の要請により、
ホテルの客室に缶詰め状態でした。
ビートルズ来日には熱狂的なファンだけではなく、抗議デモ隊も詰めかけました。
国粋主義者から脅迫状も送られていました。武道の聖地として有名な場所で、
西洋のロックバンドが演奏することに怒りをあらわにした人もいました。
完成した作品は、当時東京のビートルズ・ファン・クラブで会長を務めていた
音楽業界の下山鉄三郎氏の手に渡りました。
その後８９年にレコード店の店主ニシノ・タカオ氏が購入。
２０１２年にオークションに出品。
作品を手放すことにしたニシノ氏は、当初は日本の文化遺産として残すのが一番だ
ろうと思っていたと述べました。作品は、４６年間、一度も日本の外に出ること
はありませんでした。
「Ｉｍａｇｅｓ ｏｆ ａ Ｗｏｍａｎ」は、ニューヨーク、ロンドン、パリで
毎年開催されるChristie'sの恒例イベント「 Exceptional sale」で出品予定。
