米連邦最高裁は、29日、米国の大学で広く用いられている入学選考での人種を考慮
する手法は、「違憲」との判断を下しました。
黒人やヒスパニック系の学生に恩恵をもたらしてきた
「Affirmative action (積極的差別是正措置)」は制限されます。
これは、
社会の少数派が受けてきた歴史的な差別を是正するため、入学選考や採用活動で
優遇枠を設けるなどの取り組み。
米国ではケネディ大統領(当時)が1961年に導入しました。
保守派の団体が、ハーバード大学とノースカロライナ大学の人種を考慮した選抜方法
をめぐって訴訟を起こしていました。
John Glover Roberts Jr.
Roberts最高裁長官は、人種を利用することを正当化する「測定可能な」目的を
示していないため、両大学の入試プログラムは憲法の平等保護条項に違反している
と指摘。
9人の判事のうち、保守派の6人が人種配慮は違憲との判断を支持。
残る3人の判事は反対意見書を出し、
「数十年にわたる前例と重要な進歩を後退させる」と異議を唱えました。
最高裁の判断について、バイデン大統領は「同意しない」と述べ、
現在の最高裁は「正常な裁判所ではない」と批判。