今回はワンマン運転・系統分離後のダイヤはどうなるの続編として鹿島線編です。

 

◯現在の鹿島線の運用

鹿島線は現在多くの列車が佐原発着の区間列車として走っていますが、朝夕の一部列車は成田・千葉・東京方面への直通列車となっており中には平日に限り久里浜発(逗子発)が下り1本だけ存在しています。

 

そんな鹿島線の現在の運用はこのようになっています。

E217系

東京18:10→成田19:35→鹿島神宮20:29

鹿島神宮21:30→佐原21:51

佐原22:15→鹿島神宮22:37

翌日

鹿島神宮6:01→成田6:57→東京8:19

 

209系

千葉21:30→成田22:03→鹿島神宮23:00

翌日

鹿島神宮6:43→佐原7:04

佐原7:13→鹿島神宮7:34

鹿島神宮7:39→佐原8:00

佐原8:10→鹿島神宮8:32

------以降佐原⇔鹿島神宮の往復を終日繰り返す------

鹿島神宮22:13→成田23:13

翌々日

成田5:56→鹿島神宮6:52

鹿島神宮7:00→佐原7:27

佐原7:38→鹿島神宮7:59

鹿島神宮8:12→成田9:10

成田9:41→銚子10:56

------以降成田線銚子方面運用へ------

 

これが現在の鹿島線運用だが内訳を見るとE217系が1運用と209系が2運用となっており日中は209系の1運用のみでやりくりしています。

また朝夜だけの209系の運用は千葉からの送り込みが設定されていたり朝の鹿島線運用が日中の成田線銚子方面との共通運用になっています。

これは209系が千葉県のローカル区間全てを担っていたから出来ることでした。

 

◯E131系投入による運用見直し

しかし2021年3月のダイヤ改正から2両編成のワンマン列車としてE131系が投入されることになります。この列車は成田~佐原~鹿島神宮のみ運用範囲に含まれており香取から先の銚子方面や成田から先の千葉方面は運用範囲に含まれていません。

銚子方面や千葉方面は営業範囲に含まれていないということは現在の運用である千葉21:30発鹿島神宮行きや鹿島神宮8:12発成田行きが終わった後の日中の銚子方面との共通運用は不可能になるということです。

そうなるとダイヤ改正で運用の見直しは必須になります

 

そこでポイントを握るのが以下の3つ

2月11日~2月12日にかけての209系の謎の動き

E235系とE217系の運用

成田での分割併合が新設される

 

以上の3つのポイントから考察した結果が総武快速線~鹿島線の直通列車が2往復になると言う点です。

では総武快速線~鹿島線の直通列車が2往復になるのか3つのポイントを1つずつ解説していきます。

 

まず2月11日~2月12日にかけての209系の謎の動きについては知らない人が多いので説明すると

通常なら209系の鹿島線の運用は上に記載した通りになります。しかしこの2日間に限り遅延がなかったにも関わらず異なる動きをしていました。

その動きが以下の通りです

2月11日

・マリC410編成

千葉21:30→成田22:03→鹿島神宮23:00

・マリC442編成

鹿島神宮6:43→佐原7:04

佐原7:13→鹿島神宮7:34

鹿島神宮7:39→佐原8:00

佐原8:10→鹿島神宮8:32

------以降佐原⇔鹿島神宮の往復を終日繰り返す------

鹿島神宮22:13→成田23:13 

 

2月12日

・マリC410編成

成田5:56→鹿島神宮6:52

鹿島神宮7:00→佐原7:27

佐原7:38→鹿島神宮7:59

鹿島神宮8:12→成田9:10

成田→幕張 回送

・マリC442編成

鹿島神宮6:43→佐原7:04

佐原7:13→鹿島神宮7:34

鹿島神宮7:39→佐原8:00

佐原8:10→鹿島神宮8:32

------以降佐原⇔鹿島神宮の往復を終日繰り返す------

鹿島神宮22:13→成田23:13 

・マリC426編成

幕張→成田 回送

成田9:41→銚子10:56

 

見れば分かる通りマリC442編成が2日連続で同じ運用に入り鹿島神宮8:12発成田行きと成田9:41発銚子行きが列車交換しています。

また11日に千葉21:30発鹿島神宮行きに入ったマリC410編成は鹿島神宮についた後翌日朝までに成田に回送して成田5:56発の運用に入りました

なぜこのようなことをわざわざしたのか疑問に思っていましたがダイヤ改正後に総武快速線~鹿島線直通が2往復になるならこの動きをする理由があります。

もし総武快速線~鹿島線直通が2往復になる場合その該当列車は千葉21:30発鹿島神宮行き(東京20:42発佐倉行きの鹿島神宮延長)と鹿島神宮8:12発成田行き(成田空港9:06発逗子行きの鹿島神宮延長)になり、ダイヤ改正後の動きは2月11日~2月12日にかけてのマリC410編成の動きがそのままE217系orE235系になり、そして2月11日~2月12日のマリC442編成の動きがそのままE131系になります。

ダイヤというのは原則は改正日にならないと変えることは出来ないので、ダイヤは変わらないというもとで使用編成や夜間停泊などのダイヤに影響しない部分だけダイヤ改正後と同じ動きを1ヶ月前に試運転的な感じで行ったというのが理由になります。

 

次にE235系とE217系の運用についてだがこれはご存知の方が多いがE235系とE217系は併結運転することは出来ません。

従ってE217系とE235系は運用が別になります。

この時にネックになるのが基本編成(11両)と付属編成(4両)のペアが変わる運用で、しかもその中には現行の鹿島線直通運用があります。

現行の総武快速線~鹿島線の直通列車は東京18:10発鹿島神宮行きと鹿島神宮6:01発東京行きが担当しますが、実はこの2本は土休日に限り基本編成と付属編成のペアが異なります。そのため現行ではE235系を投入することはまだ出来ません。

しかし総武快速線~鹿島線の直通列車が2往復になれば話は変わってきます。

現在の鹿島線が絡む総武快速線直通の運用を分かりやすく図にするとこの通りです。

→:折り返し ⇉:接続

基本編成

東京5:42発佐倉行き→佐倉7:18発東京行き(鹿島神宮6:01発東京行き)

久里浜5:37発津田沼(東京)行き⇉東京7:08発成田空港行き→成田空港9:06発逗子行き⇇鹿島神宮8:12発成田行き

東京18:10発成田空港行き→成田空港20:10発東京行き⇉津田沼21:11発久里浜行き

千葉21:30発鹿島神宮行き⇇東京20:42発佐倉行き→佐倉6:40発久里浜行き

 

付属編成

東京18:10発鹿島神宮行き→鹿島神宮6:01発東京行き

 

このような動きになっています。この図から見れば分かる通り東京20:42発佐倉行きと佐倉7:18発東京行きは共に佐倉発着で

東京7:08発成田空港行きに接続する久里浜5:37発津田沼行きと成田空港20:10発東京行きから接続する津田沼21:11発久里浜行きは共に久里浜停泊となっています。

 

東京5:42発佐倉行きを数分繰り上げて折り返し佐倉6:40発久里浜行きになるように運用を組めば、基本編成の折り返しが東京20:42発佐倉行き→佐倉7:18発東京行きになるため東京20:42発佐倉行きの付属編成が千葉21:30発鹿島神宮行き置き換えで鹿島神宮延長しても折り返し鹿島神宮6:01発東京行きになる=佐倉7:18発東京行きになるのでこの時点で東京20:42発鹿島神宮行きと鹿島神宮6:01発東京行きは必ず基本編成と付属編成が同一のペアになります。

 

更に東京18:10発成田空港・鹿島神宮行きも基本編成の折り返しとなる成田空港20:10発東京行きを東京で接続する津田沼21:11発久里浜行きと行き先を入れ替え、また東京7:08発成田空港行きも東京で接続する久里浜5:37発津田沼行きと始発駅を入れ替えて成田空港20:10発久里浜行き→久里浜5:37発成田空港行きとすれば、基本編成の折り返しは東京18:10発成田空港・鹿島神宮行き→成田空港発20:10久里浜行き→久里浜5:37成田空港行き→成田空港9:06発逗子行きになり、成田空港9:06発逗子行きの付属編成が鹿島神宮8:12発成田行き置き換えで鹿島神宮延長しても送り込みが東京18:10発鹿島神宮行きになるのでこの時点で東京18:10発成田空港・鹿島神宮行きと鹿島神宮8:12発逗子行きは必ず基本編成と付属編成が同一のペアになります。

 

総武快速線~鹿島線の直通列車が2往復になればこのような動きで分割併合しても基本編成と付属編成が必ず同一のペアになり鹿島線にE235系が投入できるようになることから運用の効率化の観点から総武快速線~鹿島線の直通列車が2往復になるのではないかと思います。

 

最後に成田駅での分割併合です。

これは東労組千葉地本の資料の中に(分割併合が)成田駅で行うようになる。と言う記載があります。

しかし分割併合が無かった成田駅で新たに分割併合をするとなると人員を増やす必要性が出てくるため、人員コストが掛かります。

そのため成田駅での分割併合は必ず成田駅で無ければならないような運用が新たな出来ると考えるべきで、それは鹿島神宮8:12発成田行きと成田空港9:06発逗子行きの併合が該当します。実はこの2つは併合する場合佐倉駅では出来ません。

理由は成田~佐倉間に関係しています。

現在成田エクスプレス2号が成田を9:05に発車その後鹿島神宮8:12発が成田に9:10に到着更にその後成田空港9:06発逗子行きが成田を9:18に発車しますがもし成田ではなく佐倉で併合する場合、成田空港9:06発逗子行きの成田での発車時間は9:13程度まで繰り上げる必要が出る上成田9:10着の運用も9:09頃に成田を発車する必要があります。そうなると成田エクスプレス2号から成田空港発逗子行きまでの運転間隔が非常に短くなり成田エクスプレスで少しでも遅延が発生するとその後の運用も遅延が発生してしまいます。そのため佐倉で併合することは出来ず成田で併合する形になります。

逆に言えばこれ以外の理由で人員を増やしてまで成田で分割併合を行う理由はないです。

 

以上が鹿島線編での考察です。

次回が最終回外房線編になります。