「日本人としてできることは何か」 今井雅之 | 貴影

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【元自衛官という異色の経歴を持つ俳優・今井雅之が、

東日本大震災の被災地・宮城県仙台市で

ヘドロのかき出しなどのボランティア活動を行い、

被災地の現状や感じたことを率直に語った。

今井は芸能人としてではなく、いち人間として日本を思い、

この支援活動を決意したという。

父・兄共に自衛官という家系の今井。

今井自身も元自衛官で災害派遣の経験もある。

東日本大震災の2日後に被災地へ派遣された兄や

自衛隊時代の後輩たちが危険な任務にあたっていることを聞き、

「芸能人としてではなく、いち人間として、

日本人としてできることは何か」を自問したという今井。

日本という国を愛する心が、自身の付き人や俳優仲間に

声を掛け被災地へ足を運び、車での寝泊りを覚悟して

支援活動をするきっかけとなった。

知人を通して被災地の情報を得た今井は、

4月に2回に分けて活動を行った。

作業日数は実に6日間。

特に人手が行き届いていない地区での活動を希望したが、

知人から「仙台市内」を指定され驚いたという。

「人手に困っているところといえば、

『仙台市』という大きな街ではなく、

もっと交通の便が悪いようなところを想像していた。

一人で作業せざるを得ないお年寄りを

手伝うことを希望したのだが……」と語る今井。

しかし実際に作業を行った仙台市若林地区に到着すると

「360度、地平線まで、どこを見渡しても茶色く、がれきの山だった」と

目の当たりにした光景にがくぜんとしたという。

「こんなところにまで津波がきていたとは」と

テレビなどで映像は目にしていたが、今井が作業した現場の近くで、

34キロ先に住んでいた方の遺体が見つかるなど、

厳しい実情を改めて感じた。

悪臭を放つヘドロのかき出しは想像を絶する重労働だ。

「とにかくにおいがきつい。

きっと有害な物質も含まれていると思うけど、何時間もすくっては出し、

すくっては出しの作業を繰り返していると

腰に負担もかかる」と今井は経験した者にしかわからない

作業の過酷さを明かす。

そして「国会議員全員が視察ではなく

ヘドロのかき出しをやるべき」と苦言を呈した。

一方で、2回目の活動で一緒になった、若者やマレーシアの留学生が

黙々と作業している姿を見て、「日本人だけでなく、同じアジア人として

海外の方までもが一つになっていると感じ、

温かい気持ちになった」。

そんな今井に今、被災地に必要なものを聞いてみると

「心のケア」だという。

現地の方とのやりとりで自身が原作・脚本・演出などを手掛け、

神風特攻隊を題材とした舞台

「THE WINDS OF GOD ~零のかなたへ~」を

「ぜひ仙台でやってほしい」との言葉が、

もともと予定していた本舞台の仙台公演を

自粛せずに実施しようと今井の背中を押した。

今井自ら100人以上に取材して作り上げた

「THE WINDS OF GOD ~零のかなたへ~」。売れないコンビ芸人が、

タイムスリップして神風特攻隊の隊員と入れ替わるという

ファンタジックな設定で、「生きる喜び」を描いた作品だ。

今井は過酷な状況下にある被災地の方について

「これだけの震災に見舞われても譲り合う気持ち、

規律を守る姿勢を見て、日本人は

何て素晴らしい民族なんだろうと本当に思った」と胸中を明かし、

自身が舞台で描くテーマと重ね合わせて「自分のやってきたことは

間違いではなかった」と熱く語る。

23年前に初演してから、さまざまな批判も受けてきたが、

「一番訴えたいのは、電気もつくし、おなかがすいても

食べ物に困らない現代の平和に感謝すること。

本当にありがたいと思って生きていかなくてはいけない」と

力を込めて今井は訴える。

「自粛」と「萎縮」は違うとし、落ち込んでいるときほど

明るいニュースが東北を活気づけると今井は信じている。

「まだまだ困っている方がたくさんいます。

特攻隊で家族を失った方もそうですが、

今回の震災で家族を失った方の気持ちを

100パーセント理解できるわけではないけれど、

『生きる喜び』

『生かされている喜び』を感じてもらえると思う」と

最後は役者だからこそできる支援「心のケア」へ思いを膨らませた。】

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