さくらももこのエッセイ。
「あこがれのまほうつかい」を読んで、さくらももこにはまってしまった、と言うわけではなく、
バングラにいると日々色々難しいことを考えてしまい、頭が疲れるので、
軽く読めて、間違いなく面白いであろう本、ということで、ついつい選んでしまった。
このエッセイはさくらももこが妊娠した時の出来事を記したもの。私にはまだ遠い話…。
妊娠初期に軽く鬱っぽくなった話とか、 絶対にならないと思っていた便秘になった話とか、
情緒不安定になった話とか、そして帝王切開で幽体離脱に近い感覚を経験した話とか。
妊娠・出産を通して、あー人間の体ってなるべくように、そういう風にできているんだなー、
というさくらももこの実感・実体験をつづった本である。
寝る前に読んだら、妊娠する夢を見てしまった。
つまり、けっこう赤裸々&リアルに妊娠中の様子が書かれている、ということです。
私の姉にも今年子どもが生まれた。出産した時、姉はすでに旦那さんと住んでいたが、
まだ東京で私と暮らしていた時期、姉のつわりはピークで、かなりしんどそうだった。
そして、何もやる気が起きないようで、家でひたすらゴロゴロしてる姿をよく見かけた。
その後も、少しずつ大きくなっていく姉のお腹。
妊婦をこんなに近くで観察するのは初めてのことだったので、何だか不思議な気分だった。
日に日に変わっていく姉の体…。
私はこれまで手術というのを経験したことが無く、大きな病気にもかかったことがない。
基本的に体が鈍感なのか、ここバングラでもピンピンしている。
ただその分、鼻水がひどい、偏頭痛がする、お腹が痛い、倦怠感がある、などなど
日々ちょっとした体の不調を感じると、すぐに弱音を吐いてしまう。
最近はあまりないけれど、以前は、生理前になると恐ろしく鬱な気分になった時期があった。
仕事をしていた頃で、品川駅を歩きながら、この世のサラリーマンみんな消えればいいのに、
という世紀末的な気分になるくらい、情緒不安定になった。
他にも、生理前だと、頭が痛くなったり、体が恐ろしくだるくなったり、眠くなったり、色々ある。
毎月、この時期をびくびくしながら過ごしていた。最近は比較的楽になったけれど。
しかし、妊娠とは、それを上回る、様々な変化が自分の身に起こるわけだ。
想像するだけでも嫌。10ヶ月間も、そんな時期が続くなんて、考えただけで不安。
(気が早い。まだ妊娠の予定なんてないけど。)
バングラにいると子どもがかわいくて、子ども欲しいわ、なんて簡単に口にしちゃうけれど、
正直、それと同じレベルで妊娠・出産は恐怖だ。
どうして他の動物みたいに、2,3ヶ月でポンって生まれないんだろうって思う。
それでも、産みたい:怖い=6:4くらい。
ほんの数年前まで、子どもが可愛いとか、自分もいつか産みたいとか、考えもしなかった。
いったいいつから、どうして、そう思うようになったんだろう…。
たぶん、仕事を辞めよう、と思った去年の夏ごろから、そんなことを思っていた気がする。
ただただ、自分のために働き、自分の好きな事をして、自分のためだけに生きる。
それはそれで楽しいけど、これから先もそうやって生きて行く自分はちょっと違うと思った。
それから、実家に帰って久しぶりに親と過ごしたり、母親と旅行したのもきっかけだったかも。
両親は両親で自分の人生があり、2人の生活があり、自分はもうその世界の外に居る。
自分が帰る場所は、もうここではないのだと。
でも、もちろん、子どもが生まれたとしても、私は私なりの人生を歩んでいきたいと思ってる。
さくらももこが、生まれてきた子どもとの距離を冷静に見ている、この言葉が私は好きである。
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子どもは私のお腹の中にいた。そして、私のお腹から出てきた。
我が子である事は間違いない。だが“私のもの”ではない。
この子は私ではなく、私とは別の1個の個体なのだ。
これから先、この子は私とは全く別の自分の人生を歩んでいく。
彼は私の分身ではなく、彼以外の何者でもない。
私は、“親だから”という理由でこの小さな生命に対して特権的な圧力をかけたり、
不用意な言葉で傷つけたりするような事は決してしたくない。
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それにしても、妊娠だ出産だ、ということを考える時にいつも思うのが、
「男は絶対に女を超えられない!」、ということです。男性のみなさん、すみません。
逆男女差別だ、と言われれば、そうだと思う。もちろん、体力的には男性が優位なのも事実。
ただ、人生を生き抜く力、というのは女性のほうがやっぱり強いなーと思う。
そもそも、この出産・妊娠・はたまた生理、を含め、女性の体には様々な“大変な事”が起こる。
精神的にも不安定になる。だからこそ、女性は心身ともに、それに耐え得るようにできている。
それから、女性は長く歴史的に被抑圧者であり、人口だけ見れば男と同じ数だけれども、
メインストリームの外にいた(いる)という点で、云わばマイノリティーとしてスタートするわけで、
その時点で、圧倒的に、女性のほうが生きて行く上での困難は多い、というのが私の考えだ。
その分、女性は強く、したたかに、生きて行く術を身につけていくと思う。
たとえ、日本が男女機会平等だとか言っても、この構造はそう簡単には崩れないだろう。
書きだすとキリがないけど、色々な場面で、「リミット」というのが女性には付きまとっている。
それを思うと、日本社会、というか日本人のマインドが、女性にとって生きやすいとは思えない。
その分、女性はしたたかにやっているとも思う。上手いこと、転職しちゃったりとかしてね。
男性のほうも、一度組織に身を置くと身動き取りづらくなったり、生きにくい時代かな、とも思う。
バングラに居ても、女性は本当によくやっている。旦那なんてはっきり言って妻に頼りっきり。
子どもたちも、息子だろうが、娘だろうが、本当に母親を大事にする。
父親の話題なんて出てこない。それくらい、母親の存在は大きい、と言うことだ。
しかし、世の中には、自分はジェントルマンだとか、女に優しいとか、社会を変えるのだとか、
そんな言葉を吐く輩に限って、本当の意味で女のこういう状況を理解していなかったりする。
女は守らなければならない存在だ、とか、女も男と全く同じように働ける、それこそ平等だ、とか、
そんなのは、女の本質でもなんでもない。
しかし、悲しいかな、世の中はいまだそういう男を中心に回っている、というのが私の実感だ。