気がつけば、小さかった次男(高3弟)も高校3年生

いよいよ受験の年

進学希望ですが、出来れば指定校推薦を取りたいとのこと。

担任の先生によると、最近は国公立大学を目指す人以外は指定校推薦など、いわゆる一般入試を避けて確実に進学する選択をする生徒が多いそうてす。

私たちの頃にはまだ少なかった指定校推薦ですが、近頃はどの大学でも行っているとのこと。

また、指定校推薦は大学にとっては確実に生徒を集められるので、お互いにウィンウィンの関係なのでしょう。

まあ、次男の人生は次男のものだから、ユーチューバーとか余りに突拍子もないものでない限り、進路は次男の判断に任せるつもりです。

さて、進路について考えていたら、ふと自分の時のある出来事を思い出しました。

実は音大受験を勧められたことがありました。

高校の時、弱小の吹奏楽部でチューバを担当していましたが、

ある日、吹奏楽連盟が主催する高校生向けの楽器指導のイベントにみんなで参加し、そこで音大のチューバ専攻の先生から指導を受けました。

5人くらいのグループで指導を受けたのですが、終了後、先生から呼ばれ、一人で吹くよう言われました。

音大の先生とマンツーマンなので緊張しながらロングトーンをしたところ、次に出せる一番低い音から一番高い音まで出すよう言われました。

私は余り音域は広くなかったのですが、先生はウンウンという感じで目をつぶって聴いておられました。

それが終ると先生が、
ちょっといいですか?

と私の唇の横辺りを軽く触り、また腹筋を確認し、

「あー、なるほどね…」
 

さらに肺活量を聞かれました。


私は唇が薄く、また当時174cmで58kg
肺活量は5,000cc近くあったのですが、相撲取りのような体格の方が多いチューバ奏者に向かない体格でした。

その後、口の形や動き、ダブルタンギング(速いフレーズの演奏に必要なテクニック・チューバには不要なテクですが得意でした)が出来るかなどを確認され、


「この体格で薄めの唇なのに、何故こんなに豊かなで綺麗な音が出るのか不思議でしたが、よくわかりました」

マウスピースが大きいチューバは唇が分厚い方が有利なのですが、どうやら私の唇は人一倍伸縮性が高いよう(ちなみにほっぺたはお餅みたいと言われるで、この厚さでも分厚い人並みのアンブッシュア(楽器を吹く時の口の形や機能)が保てているとのこと。

また後輩たちと探偵(ケイドロ?ドロケイ?、ドロジュン?)ばかりしていたお陰か、腹筋と肺活量はかなり強いようで、これらにより体格以上に豊かな音が出せているとのこと。

さらに、ピアノを習っていたので、ヘ音でも問題なく譜面が読めたこともあったためか、

「もし、このまま吹奏楽を続けて行こうと思うなら、音大受験を考えてみませんか?
もしかしたらユーフォ(ユーフォニアム)かホルンの方が向いているかも知れませんが、もう少し体格を大きくして、さらに専門的な練習を積めば金管奏者としてやって行けると思います。ぜひ検討してください。
ただ、サポートはしたいと思いますが、音大はお金が掛かるので、ご家庭でしっかり話し合ってください。」

弱小の吹奏楽部でふらふらとチューバを吹いていたので、突然のことでびっくりしました。
それに、音大なんてピアノを習っていた時も考えたことがなかったので、検討するにしても見当もつきませんでした。

ただ、音大はお金が掛かりそうだし恐れ多かったので(音大って、かつてキョンキョンが主演したドラマの東音楽大学のイメージが強く残っていた)、結局そのまま両親に話すこともなく沙汰止みになりました。

もしかしたら、縁の下の力持ちと言われるチューバは地味で余り人気がないので、学生集めに必死だったのかも知れませんね。

もちろん、音大に行けるような裕福な家庭ではなかったのですが、もし、あの時、音大に行っていたら、今頃どこかの楽団で、もしかしたら憧れの自衛隊の音楽隊でマーチを吹いていたかなぁ、とか、
とうに人生半ばを過ぎたこの歳になって、いろいろ考えてしまいました。


もし、次男に向いているものがあり、それを本人が望むのなら、出来る限りの支援をしたいですね。