日本丸

日本丸前で
 

 日本は四方を海に囲まれた海洋国家です。石油や天然ガスはじめ様々な物資を外航海運で輸出入しています。また、国内においても、物資や人を内航海運が運んでいます。

 客船やタンカー、フェリー等の内外の海運を担う船長や機関長を目指して、毎年1900名の学生達が、各地の学校で学んでいます。実際の船での実習を担うのが、(独)航海訓練所の5つの練習船です。同訓練所から、昭和18(1943)年発足以来、延べ14万人以上が巣立ちました。毎年56億円の国費が投入されています。

 4月14日(月)午後に、東京晴海埠頭において、航海訓練所の5つの練習船の一つ「大成丸」(3990トン)の竣工披露会がありました。戦前から数えて4代目となります。船内を見学をさせて頂きました。大成丸は、ディーゼル機関の練習船で、小型化され、内航海運の人材育成に使用される予定だと言います。内航海運の船員は高齢化が進行しており、若手の人材が少ないとのこと。この船を使って、官民一体で、人材を育成しようというものです。

 

大成丸

 


●日本丸の登檣礼

 また、その日は日本最大の帆船、練習船「日本丸」が神戸に向けて出帆する日でした。その登檣礼(とうしょうれい)も見学させて頂きました。登檣礼とは、帆船が出航する時に行う、実習生がマストに登って行う挨拶のことです。海から50メートルのマストに、実習生が登り、見送る私たちに向かって、挨拶します。

 「ご・き・げ・ん・よ・う」と。それに応えて私たちも「日本丸、万歳」と叫びました。

 現代でも船員教育には帆船は欠かせないと言います。自然の力を一番知ることができるからだと聞きました。

 海洋国家の日本を担うべく、もっと多くの若者に船員に挑戦してほしいと思います。