お今晩😊
最近ハマっているのが、図書館です📚
そんな時間があるのか❗️(本を読む)
映画も一日一本見るんだろう❗️

確かに・・・フルタイムで火曜〜土曜日まで仕事をしています
9時に家を出て帰って来るのは、19時前
ゴタゴタ(夕食準備+片付け)すると20時
21時〜定例会があったり・・・ぷっ
録画したドラマを見たり・・・消化作業

寝る間際にちょっとづつ読んでいます
前の仕事は、ほぼ本屋だったので休憩時間に読めたのですが
今は骨董品を見る毎日💦

読書は、ネタ探しです(笑
と言うか、2〜3人の会話は成り立つのですが
人数が増えた途端読みづらくなります
この文章の組み立て方の悪さを克服するため(笑
「」ばかりの文は面白くないし
あまりに三人称の文はしらけてしまうじゃないですか
53歳勉強中です(爆笑

将軍の帰還のお話の合間に、ちょぃちょぃ短編を入れています
お楽しみ下さい🍀






<地位協定>

地位協定とは
俺と彼奴の役割や権利などの地位を規定する協定。諸事情で妻の男友達の駐留により妻が濃厚に接触する機会が増加する際に、家人同士の摩擦を防ぎあらかじめ締結される。



あのまま屋敷に置いてはおけぬではないか
もし事情を知らぬ者が訪ねて行き、若返った将軍を見ようものならどうなるか
かと言って兵営に放り込む訳に行かぬ
俺は悩んだ
そして「仕方がない」と口にしようとした

「ハラボジは、私の処にきたらいいわ」

ルビが将軍の手を引いて満足そうな顔をしたが、その手をシンが掴んだ
「小さい屋敷・・・小屋です。大人三人は無理だ」
「大丈夫よ、この間まで父様と母様と私の三人で暮らしていたわ」
「いいえ、駄目です」
「あなただって泊まっていたじゃない、四人はいける」
ただでさえ二人の時間がないと嘆いているシンは、自らの叔父まで拒否をした
分からぬわけではない
ただの爺さんなら、シンだとて受け入れたかもしれぬ

「ハラボジ、シンの言う事なんて気にしないで・・・」

ルビは将軍の着替えを探そうとしだしたのだ
しかし、将軍はウンスの後ろに隠れちまった

「ハラボジ〜どうして」
『儂は、イセンの薬でこうなったのだ・・・』
「かぁ様じゃないとダメなの?」

言い合う二人は痴話喧嘩をしている男女にしか見えない
シンは、苛立ちのあまり耳がブルブルと震えていた

『俺の屋敷に迎える』
「えっ」なぜか妻は俺の顔を驚いた顔で見上げた
『幸い屋敷は広い、離れもある・・・暫くは身を潜められる』
他意はない、薬の効き目が切れればその様な意味だった
「身を潜めるだと」将軍は急に起こりだしたのだ
『今は、そう言うしかないであろう。俺が若返ったとしてもそうする』
周りに迷惑をかけぬ為だと諭した

しかし、俺は小声で言ったさ
俺だとて不本意だ、しかし俺以上に不本意だと思う奴がいる
其奴を説得し、危害を加えぬようにしなければ
イ将軍せっかく若返った体が傷だらけになり
その喉笛に鋭い牙が刺さり明日の朝日を見る事なく終わっちまうだろう

その時の将軍の顔は、戦場でも見た事がないくらいに青冷めていた
貴方も知っているだろう我が家に巣喰う「高麗の疾風」を
俺は王に許しをいただき皆より早く屋敷に戻った

『説得に応じるかだ』

自らの利になる事がなければ納得などしない奴だ
余程隣国の大軍より面倒な駆け引きをする事になるだろう
彼奴はいつもどおり屋敷の表門の内側で前足を枕に眠っていた
昨夜は、ウンスが帰ってこないと一晩中低い唸り声を上げていたのだ

『ピ・・・おぃ、ぴ・・・クソ!ピちゃん』
「ウッッ・・・」俺が呼びかけるだけで威嚇してきやがる
『来い、大切な話がある』
「フンッ」鼻息を荒く吹き出し、又寝ようとした
『言っておくが、これから来る客人はお前と俺の敵だ』
「?」ピは、急に頭を上げ俺の顔を見た
そして立ち上がり、俺の前に歩み出た
『若い男が暫く我が屋敷に滞在するのだ、しかもウンスの傍を離れようとしないだろう』
あぁ・・・そうだろう、俺がもしお前だったとしてもその様な顔をする
『俺も不本意だ。しかしルビの小屋(酷い言われようだ)には無理であろう?』
ピは、首を振った
明かにルビの小屋に行かせろと言うのだ
『シンが一歩も譲らぬ』
此奴はシンには弱いのは知っている
しかし、ずっと首を振り駄目だと言わんばかりだ

『だからだ、俺がいない間は・・・ウンスを守ってやってくれ』

項垂れた頭が急にまた上がった
まるで仔猫の如く目を輝かせ、頬まで裂けた口元をニヤリと緩ませる
鋭い牙が二本ちらりと見えた
何度も俺は噛まれ、腕を血塗れにしたが、あの方は
「甘噛みよ〜大丈夫私が治してあげるから」
此奴が本気で挑めば将軍でも命はない
しかし・・・しかしだ・・・
ピの出した、条件はあまりに卑劣なものだった

俺の下衣の裾を噛み、付いてこいと屋敷の中へ入っていく
廊下をぬけ、居間を通り過ぎ、寝屋の前に来た
『まさか』
ピはニヤリと笑い、寝屋の扉を開けろと鼻先で押し
『寝台の下で寝るというのか』
ピは、ひょんと寝台の上に乗った

事を成す為には、駆け引きがある
お互いの利益を侵さず、そして権利を認める
俺は寝台の前に胡座をかいだ
将軍を妻の傍におくのか、此奴を妻の傍におくのか
悩まずとも答えは決まっている

『ゆるそう・・・』

満足そうなピの顔を見たのは、これが最初で最後だったかもしれない