更新頻度を上げたい、上げたいと思いつつ、月1でやっていけたらと思っている赤いアリクイだが、マイペースにやっているので、もし興味があれば見ていただければと思う。今月の内容はアニメの感想。しかも、ジョジョを取り上げようと思う。

 

そんなジョジョであるが、アニメもついに第5部に突入。ジョジョファンの中でも人気の高い部であるだけに、その期待はかなり高まっているように感じる。そして、ついに放映となったわけだが、これがなかなかもってクオリティが高い。どのキャラクターも魅力的で、さらにはどの戦闘も演出が光る。つまり、めちゃめちゃかっこいい。そして、ついに先日、14話から「フィレンツェ行き超特急編」に突入。いわゆる、プロシュートそしてペッシとの戦いだ。

 

【とにかくかっこいいスタンド戦】

 今回、自分が特に指摘したいと思うのは、5部スタンドとアニメ演出のマッチングについてだ。正直、ここまで5部のアニメを観てきて、一番思うのが、この2つのマッチングが完璧であるということ。3部や4部での戦闘の時に感じた、ある種の「鈍重さ」が5部にはない。どっちが死んでもおかしくない、ヒリヒリとしてスピーディな戦闘、それがしっかりと演出されているように思える。スピーディは「勢いがある」と置き換えてもいい。興味深いのは、5部自体が「旅」を通じて「目的」へと向かうと言う構図自体が3部と類似しているという点であろうか。しかしながら、その印象は3部と5部で大きく異なる。それは、5部のスタンドバトルが「複雑化」されているからなのだ。

 3部は「殴るだけ」だったり、「剣を操るだけ」だったり、かなりフィジカルなバトルが主人公サイドで展開される一方で、5部はその「殴るだけ」に「条件」が付与されている。例えば、ジッパーを用いてリーチが伸びたり、相手との距離を詰めたりなどなど。5部はまさに「能力バトル」が開花しているのだ。だから、3部よりも戦闘が複雑で、(昨今の能力バトルに頭を侵されている)観ている方も、丁度よく感じるのだろう。

 

①ペッシvsミスタ(ビーチ・ボーイvsセックス・ピストルズ)

 まず14話から15話前半では、この二人の戦いが描かれる。この戦いを見ると、ミスタのスタンドがホルホースの皇帝といかに差別化できるか、ということが強く指摘できる。ミスタのスタンドの能力は「弾丸の軌道を変えることができる」だが、実質的にピストルズは彼の独立したもう一つの「感覚器官」なのだ。だから、自らの視界が届かない範囲まで放った弾丸を、ピストルズという拡張された視覚を使って相手に、あるいは氷に当てることができる。しかも幸い、列車の中は直線構造。まさに彼の能力にとって都合のいい条件であったと言える。そう考えると、ペッシの能力は長距離同士においては、不利をとっていたように思える。グレイトフルデッドがあった状態だったので、トントンとも言えなくはないが、どちらにしても「見えてない」ペッシと「見えている」ミスタという勝負では致し方なかったように思える。アニメはどちらかというと、原作よりもペッシに焦点を置いているように見えたので、前述のようにミスタの能力の恐ろしさが際立ったように思えた。カウントダウンも怖かった。

 

②プロシュートvsブチャラティ(グレイトフルデッドvsスティッキーフィンガーズ、ピストルズNo6)

 15話後半から16話前半にかけては、大将戦といったところか、二人の戦いが繰り広げられる。ここが観たくてたまらなかったという人も多いのではないだろうか。実に良かった。正直、ブチャラティの能力って真正面からの接近戦を主としているイメージなのだが、彼自体の戦い方はいかにもゲリラという感じだった。先ほど、少し触れたが、原作は主人公チームにスポットを当てて描いている部分が大きいが、アニメは若干その部分がフラットになっている。そのせいか、かなりプロシュート視点で戦いを観ていたように思える。しかしながら、ブチャラティの判断は妥当だろう。狭い空間内でのグレイトフルデッドとの戦いがいかに危険かということをよく踏まえていたと思える。

 そしてこの戦いの見せ場はやはり、ブチャラティの名言ラッシュであろう。「任務は遂行する、部下も守る」「両方やらなくっちゃ、ならないってのが幹部の辛いところだな」「覚悟はいいか?俺はできている」。かっこいい。これを聞くためにテレビの前に待機していたんだッ!そして、中村悠一の演技の良さよ。熱いし、低音がかっこいい。あの場面のいいところは、そのままダラダラと戦いが続くのではなく、屋外へとダイブしていくという動きのテンポの良さもあるなあと思ったり、思わなかったり。

 

③ペッシvsブチャラティ

 そして、最終幕。先日放送された16話の後半であるが、ここの密度がものすごかった。まさかあの「これは嘘をついている味だ」とかなんとか言って汗をなめていた変態が、ここまでかっこよくなるなんて!!!この場面からは視点が相手チームから一気にブチャラティの方へと寄って行ったなぁという印象。自らのバラバラにする場面では、ブチャラティの覚悟に思わず涙が出てしまった。体がくっつく場面では、ちょっとご都合主義すぎない?という指摘も散見されるが、ペッシが焦って電車を止めてしまった(勝敗を捨て、プロシュートを取ってしまった)という描写が丁寧にされていたので、少し的外れなのかなぁと思ったり。なぜなら、「覚悟の勝負」であるからだ。ジョジョではよくある構図だ。覚悟が道を切り開く。覚悟を持った方に、運が微笑む。女神は、ブチャラティを探すのを諦めて電車を止めてしまったペッシの元から、ブチャラティの元へと移っただけ、ジョジョならあることだなぁと思う。ジョジョリオンとか読んでいると特に思う。

 そして、列車から顔を出すシーンのBGM良かった。かっこいい。原作がどうだったか覚えていないが、決戦の時刻は夕方という場面設定は演出の妙だと思う。まさに、西部劇といったところか。抜いたら、どちらかが死ぬ。ヒリヒリとした緊張感がとても観ていて心地よかった。

 アリアリラッシュも賛否あるようだが、個人的には最後の「さよならだ」の字幕に100億万点あげて良いなと思った。今まで脳内で「アリーヴェデルチ」と「さよならだ」は両方とも再生されていたわけだが、これが「アリーヴェデルチ」に「さよならだ」の字幕がつくことで気持ち良さが増したし、鳥肌が立つくらいかっこ良かった。そして、字幕のフォントもアニメでよく使われるソレ、ではなくてまさに外国人が喋るソレだったのもポイントが高い。私たちが洋画を見ることで培われたリテラシーを逆に利用した構図なのであろう。子供騙しになっていない、しっかりと見る側の偏差値も意識しているというところが凄く好感が持てた。

 

【ジョジョ5部は青春】

 ここまでスタンドバトルを語り、残った部分は何かを考えた。そして、考えたのはこの劇に登場する人物たちはみんな「青春」を生きているということだ。それは、仗助たちが杜王町で成し遂げた青春とはまた違った青春で、荒木先生が「黄金の精神」と表現した者なのではないかと思う。

 瑞々しく、酸っぱくて、辛い。そして何より、一生懸命なのだ。ズッケーロにしろ、ホルマジオにしろ、もちろん主人公チームも。今を一生懸命に生きているのが伝わってくる。自分の大好物だ。

 3部・4部のアニメに足りなかった部分は、そこであると感じる。1部・2部にはその一生懸命さ、「青春」が確かにあった。しかし、急に消えてしまった。ジョジョのアニメに数年にも渡ってもやもやとしていたこの気持ちが、今解消された嬉しさがある。

 これから先、主人公チームは多くの敵と戦うこととなる。覚悟が道を切り開く。まさにその通りなのであろう。この物語は覚悟の戦いなのだ。ジョジョに人間賛歌が戻ってきた。ワクワクが止まらない。これから先の展開にも期待したい。

 

赤いアリクイ