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日本人にMBAはいらない、本の話

「結論を言おう、日本人にMBAはいらない」
元BCG、ローランドベルガー日本法人会長で、
元早稲田大学ビジネススクール教授の遠藤功先生の話題作。

私が在学している際に大学院を辞められ、
突如、出版されて、
学内でもザワザワした作品。

ようやく読みました。

私は遠藤教授の講義を履修しなかったため
どんな方は知りません。
コンサル業から遠い業界なので、
事前知識もありません。
むしろ、この本との接点が
ファーストコンタクト。

そういう意味では、
内部にいながら、客観的に読めた気がします。


MBAに対する
海外と国内の評価の違いは
既に多くの文献で言われている通りの書かれ方で
その通りだと思いました。

一方で、
なぜ、辞めた後になって
長年付き合った学校や同僚、卒業生たちを
あれだけ非難できるのかは、
不思議でした。

よく読み込めば、
「早稲田大学ビジネススクールは、
概ねちゃんとしてる。
問題は他のビジネススクール」
と言ってます。

でも、
それは客観的に内部にいるから読み解ける事で
一般的には、
「早稲田大学教授による
早稲田大学ビジネススクール批判」
という解釈が大多数になるでしょう。
(それがウリの本ではあるので…)

明石家さんまさんは、
本を出したがらないそうです。

「本は、その人を決めてしまうから」

という理由だそう。

遠藤教授は、
この本で世間から評価を決められます。
はたして、
ご本人の意図した通りだったのか。
出版社の意図が強く出てしまったのか。



内部の人間として事実を書くと、

早稲田大学ビジネススクールを卒業した人で、

異動で、希望していた戦略系に行かれた方、
海外赴任になった方、
転職で外資系コンサルなどに行った方、
起業して成功した方、
事業継承で改革に成功した方、

多数います。
ご本人たちは、
「MBAを勉強した影響が大きい」
と言ってます。


ここでいう「MBAを勉強」とは、
「①学問的な事」
「②異文化・異業種の人材と
深く交わった経験と刺激」
を意味します。

MBAを、教科書や机上の勉強と解釈する
MBAホルダーは、
世界的にもほとんど存在しません。

大部分は②と解釈します。


遠藤教授の文章は
①を大きく批判し②は「海外のトップ校と日本の学校では、日本は劣っている」という事をおっしゃっています。


これは、その通りです。
劣っているけど、無意味とまでは言えないです。
それは、
遠藤教授の教え子を含め、卒業生のキャリア形成で結果が出てるからです。


というわけで、
この本を鵜呑みにする必要は無いのですが、
内部にいる人間たちは、
怒る方はほとんどいませんが、
とても残念な気持ちになってる方が多いです。

彼の言う現場力とリーダーシップは、
仁義や恩義を重んじていました。

この本を執筆すると
どんな影響があるかも、想像出来たはずです。

なんで、あんな文章で書いてしまったのか…