マニアの話 | 赤平大オフィシャルブログ「赤平大のありがとうございます」Powered by Ameba

マニアの話

おなじみ、ボクシングネタです(笑)


読み飛ばしていただいて結構です  汗




さて、


昨日、ホルヘ・リナレス(26歳)というベネズエラ人選手の

3階級制覇をかけた試合がありました。


リナレスは10代の頃から日本の帝拳ジムで練習をしていて、

日本語も上手で、抜群のセンスがあって、男前な選手です。



そのリナレスの3階級制覇の相手が、

アントニオ・デマルコという長身サウスポー。


結果は、

11R デマルコのTKO勝ち。

リナレス、2敗目。

3階級アタック失敗。



実は私、偶然にも

10年くらい前にリナレスが初来日した時に居合わせていまして、

その時の練習の姿を見て、度肝を抜かれたんです。

たしか16歳くらいだったと思うんですが、

練習を見ているだけで才能が分かるというか…

あの頃は日本語もできず、まさに子どもの表情で握手してくれました。


そのリナレスが、

デマルコに、あえて言いますが

「力負け」しました。

かなりショッキングな負け方です。

有効打による2か所のカットで、大量出血もありました。



初黒星のサルガド戦は、

ボクシングでまれにある「ワンパンチKO」でした。

今回は、

手の内を出して、策を練って、体力をフルに使って、

それでも逆転負け。




さて、

なぜリナレスは敗れたのか。



デマルコは強い選手です。

26勝(19KO)2敗1引き分け

25歳と実はリナレスと同級生。


2敗の内容は、

一つは6回戦時代に2-0のマジョリティで敗れた際どいもの。

もう一つは、

あのパーフェクトレコードでこの世を去った

エドウィン・バレロに9R終了時ギブアップでの黒星。

ダウンは、していません。

この試合、バレロは偶然のヒジをもらい、リナレスと同じく大量出血。

正直、バレロの突破力で勝てた、と言える内容。


今回

リナレスは序盤からオーバーペース気味にスピードを駆使していました。

とくに、いつも以上にポジションチェンジをします。

ハンドスピードもいつも以上。

この辺りが、ローチの指導だったのかも。

(飛び上がりながらの左ショートフックは、パッキャオっぽかったです)

そのかわり、いつも以上にパンチによる相手のストップ効果が少なかった気がします。

これは、階級の差も要因に挙げられます。

今までだったらこのパンチで相手が止まって、追撃できるタイミングだったのに、

デマルコは反撃に来る。

序盤からその繰り返し。


ポイントポイントで、角度を変えたスピードのあるワンパンチやコンビネーションを入れるリナレスでしたが、

中盤からデマルコは、リナレスの破壊力と距離を見切り始め、

プレッシャーを強めます。

結果リナレスは、ロープやコーナー際の戦いに。


解説の浜田さんもおっしゃっていましたが、

リナレスはサウスポーは得意ではないようです。

デマルコの左ストレートへの対応が鈍く、

とくにスリッピングアウェイの捻る方向が遅れたり逆だったり・・・・

これは想像ですが、リナレスは、

「強いストレートへのスリッピングアウェイは、首を右に捻る」

ということを、考えるよりも反応で対処しているのではないでしょうか。

もともと、センスと勘が抜群の選手ですので、反応速度は異常に速い。

そこに普段のすさまじい練習が重なって、右に捻る刷り込みがあったのではないか?


そう考えると、

サウスポーの左ストレートに対して、本来は左に首を捻るべきところを、

逆の右捻り、もしくは混乱からの遅さが発生してもおかしくはない。

むしろ、あれだけ反応がいいリナレスが、あれだけスリッピングアウェイを失敗することが

おかしな話ですから。



というわけで、

私の私見では、リナレスの敗因は


スピード重視のためと、階級差からおこる

その階級で必要最小限のストッピング効果の不足。


そして、

才能と練習の副産物としての、サウスポーへの適応障害。


この2点。


…テクニカルオンリーは話に絞ってみました。

メンタル面では、リングサイドいたデラホーヤやカーン、モラレス、パッキャオに象徴されるように、

リナレスにとっては非常に大きなチャンスマッチであったこと、も挙げられますね。


・・・カーンは中盤以降、試合を見ないで手元をいじってましたが。

携帯か何かかな???


それにしても

残念すぎる・・・(涙)




メインの

ホプキンス対ドーソンについては


違う意味で

残念すぎる…(笑)