衝撃は突然なのです | 赤平大オフィシャルブログ「赤平大のありがとうございます」Powered by Ameba

衝撃は突然なのです

ショッキングな出来事がありました。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100420-00000030-spn-fight


ボクシングの世界王者エドウィン・バレロ。


妻を殺害後、拘置施設で自殺。





かつてバレロ選手は日本のジムと契約して、

日本のリングで活躍していました。


その頃、私も何度も取材に訪れていて、

彼とお話をさせてもらっていました。




非常に優しく穏やかで、

日本を愛し、ボクシングを愛し、家族を愛していました。


殺害された奥様にも何度かお会いしたこともあり、

バレロ選手の練習や試合を優しく見つめていた印象があります。



バレロ選手は世界的にも注目された選手で、

27戦27勝27KOという

驚異のスーパーレコードも継続中。


本人も、ファンも、

マニー・パッキャオとのビッグマッチを熱望。


破壊的な拳を、

もっともっと世界に打ちつけて欲しい、

そんな希有な選手でした。




試合では野性的で、本能のまま凶暴な肉食獣のように

対戦相手に襲いかかるのですが、

バレロ選手いわく、

テクニックと計算で戦っている

という、

本能と理論の融合が同居していたようです。



一見怖そうな印象の一方、

インタビューをすると、必ず目を見て、

しっかりと、じっくりと、

笑いながら、彼特有の甲高い声で話していたことを思い出します。





なぜ、こんなことになってしまったのか、まるで分かりません。


なかなか決まらないビッグマッチにいら立ち、

アルコール等に深入りしすぎたせいなのか。


あれだけ家族を愛していたバレロ選手が、

なぜなのか。




友人のボクシング関係者は、


「残念。子供たちがかわいそう」


「何がボタンの掛け違えになったのか」




その通りです。






初めてバレロ選手の取材に行ったとき、

簡単に挨拶をすると、


汗だくのバレロ選手は甲高い声で明るく挨拶を返し、


笑顔で私を見つめ


右手を差し出しました。



ググッと力強く握る彼の右手、

その意外なほどの柔らかさに驚き

彼の、ボクシングと日本と、家族への、愛と感謝を聞いていると

男として、カッコいいと思わされました。




その手は、

妻を殺害し、

苦しみ

自らの命をもたってしまった。




なぜなのか。



なぜ、なのか。