「読書」。

 

親がよく読んでいた司馬遼太郎の本を、最近、読み返しているのですが、最後まで、ひたすら書かず、語らずにいられなかった豊富過ぎる知識量と関心の広さを持った「全身小説家」な人だったんだなと思う次第です。

 

自分の事から、国家や日本人や民族や風土や日本史の事など縦横無尽に書いて、対談で語っており、村上龍と村上春樹を越える作品数を生み出した「小説界の巨星」の1人だなと思いました。

 

漫画界で言ったら「手塚治虫氏」に匹敵する仕事量をこなした方の1人だと思います。

流石に全部のテーマで完全無欠とはいかない(そもそも、完全無欠な人間はいませんが)し、少しアラや失言も見られますが、綺麗な日本語の文体と語り口は最後まで持続していて普通の人の何十倍もの仕事量を最後までこなしたのは見事だなと思う次第です。

 

多分、戦争経験というのが大きいんだろうなと思いますが、「戦争のトラウマから逃れる」為に書いて、有識者と語り続けるという事をして一般人が真似できない仕事量をこなしたんだと著作を読んでいて思います。

 

あと、中学校時代からデビュー時まで続けた図書館通いや書店通いというのも大きいと思います。ひたすら勉強し続けた無名時代の知識量が、後の作品群の幅広さに影響しています。

 

本当に「戦後のサラリーマン」に読まれたのが分かりますよ。一般の歴史書とは解釈が違うにせよ、日本人は凄い民族なんだなと一時期信じ込ませるだけの熱量を持った仕事ぶりだと思います。だから、たとえ、一時でも「戦後のサラリーマンに夢を抱かせて高度経済成長~一億総中流社会を実現させた」功績の一端を担った事は凄いです。