赤髪が主宰するSNS ACADEMYで、「広報ってどんな仕事?」という授業を実施しました。
今回はわたくし、MARIが講師を務めました![]()
「広報って、テレビや新聞に取り上げてもらう仕事?」
「大きな会社の話で、個人事業主には関係ないのでは?」
ノン・ノン・ノンです。
個人事業主が事業を継続的に成長させられるかは、広報の力にかかっていると言っても過言ではありません![]()
広報は、個人事業主や小規模事業者にこそ知っておいてほしい強力な武器なのです。
私はこれまで、新日本製薬やLINE Fukuokaでの企業広報を経験し、広報に携わって15年になります。
今回の授業では、リアルなエピソードを交えながら、広報・広告・マーケティングの違いや、今から実践できる広報活動について解説しました。
SNSで発信しているのに仕事につながらない方、自分の商品やサービスをもっと多くの人に知ってもらいたい方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
【この記事で分かること】
・広報・広告・マーケティングの違い
・広報の具体的な仕事内容
・プレスリリースとは何か
・個人事業主がやるべき広報活動とは
① 広報ってどんな仕事?
まず、結論からお伝えします。広報は、会社や事業に関わるさまざまな人と良好な関係を築き、選ばれるための信頼をつくる仕事です。
広報は、情報を発信する仕事だと思う方が多いのですが、中心にあるのは、人や社会とのコミュニケーションです。
企業の周りには、顧客、従業員、取引先、地域の方々、メディア、行政など、多くの利害関係者がいます。こうした人たちのことを「ステークホルダー」と呼びます。
広報は、これらのステークホルダーに必要な情報を伝えたり、耳を傾けたりしながら、信頼関係を築いていく仕事です。
これは上場企業が向き合っているステークホルダーの図ですが、個人事業主でも同じです。お客様がいて、一緒に仕事をする仲間がいて、お店や教室を構えているなら、地域の方々との関わりもある。
そうした人たちに、自分がどんな想いで仕事をしているのか、何を大切にしているのかを知ってもらう。そして、相手の声にも誠実に向き合う。
その積み重ねが、「この人にお願いしたい」「このお店を応援したい」という信頼を生んでいきます。
② 広報・広告・マーケティングは、どう違う?
広報・広告・マーケティング。言葉は知っていても、「違いを教えて」と言われたら、説明できる人は少ないのではないでしょうか?それぞれの目的や、情報の伝わり方に注目すると、役割が見えてきます。
広報とマーケティングの違い
広報の目的は、選ばれるための信頼をつくること。
マーケティングの目的は、売れる仕組みをつくることです。
目的が違うので、普段意識している目線や手段も変わります。
広報は、社会やステークホルダーに目を向けます。自分たちの活動が社会にとってどんな意味を持つのかを考えています。
自分たちの活動を社会に伝える手段の一つが、メディアに向けた発表資料「プレスリリース」です。
対して、マーケティングは、顧客に目を向けます。市場調査や商品開発をし、販売方法などを考えていきます。広告は、そのための手段の一つです。
たとえば、健康食品を扱う会社が、地域の公民館で健康づくりのイベントを開く。地域の方々と交流し、会社への理解や信頼を深めてもらうことが目的なら、広報の活動といえます。一方、新商品の購入につなげるためにキャンペーンを企画するのは、マーケティングの活動です。
広報と広告の違い
次に、広報と広告の違いです。
メディアに情報が載る仕組みを見ると、分かりやすいと思います。
広告は、費用を払って広告枠を確保し、商品やサービスなどの情報を届けるものです。新聞広告、テレビCM、SNS広告などが当てはまります。
対して、広報は、プレスリリースなどを通じてメディアに情報を届け、無料で取材や記事掲載につながるきっかけをつくります。
取材するか、記事にするか、どんな内容を伝えるかを判断するのは、メディア側です。プレスリリースを送ったからといって、必ず掲載されるわけではありません。
だからこそ、第三者視点で書かれた純粋な記事面の信頼度は、広告面の約5倍と言われています。
こぼれ話📣広報と広告をボクシングにたとえると?
これは、私が上司から教わったたとえです。
広告は、強いインパクトで「買おうかな」と思わせるアッパーパンチ。
広報は、「あの会社、いい会社だよね」という信頼を積み重ねることで決まる、とどめの一発、ボディブローです。
広告で商品に興味を持ったとき、日頃の広報で育てた信頼が「この会社の商品を買いたい」という決断を後押しする。そんなふうに、広告と広報は組み合わさって力を発揮するんです。
③ 攻めと守りがある。広報の種類と仕事内容
ここからは、企業の広報が具体的にどんな仕事をしているのか、私が経験したことをご紹介します。
企業ブランディング|石の上にも100年
企業ブランディングは、会社の理念や、その会社らしさを社会に伝えていく活動です。
企業理念を分かりやすく言葉にしたり、ロゴやブランドカラーの使い方を整えたり。会社らしさは、長い時間をかけて、一貫した姿勢を伝え続けることで育っていきます。
私は、「お客様」と書くか「お客さま」と書くか、漢字とひらがなの使い分けまで決めていました。色や言葉選びも、積み重なると会社の印象をつくるのでとても大切な要素です。
個人事業主の方にも、ミッション・ビジョン・バリューを言葉にしてみてほしいと思います。
どんな使命を持ち、どんな未来を目指し、何を大切にしているのか。そうした理念を発信することが、ブレない自分らしさを知ってもらうことにつながります。
社外広報|第三者に語ってもらう
社外広報は、会社の取り組みを社外に伝え、メディア露出を獲得し、信頼を育てる仕事です。
代表的なのが、報道機関へ伝える資料「プレスリリース」の作成や、メディアの取材対応。経営方針、新しい商品、イベント情報、調査結果などを発表し、記者に関心を持ってもらえるように働きかけます。
プレスリリース作成時に重要なのが、自分たちの活動が社会にとってどんな意味を持つのか、正しく書くことです。悲しいことに、社会的視点がないプレスリリースはゴミ箱行きです。
社内広報|社員を社長の分身に
社内広報は、社員に向けて情報を届け、会社への理解や一体感を育てる仕事です。
会社の成長は、社員の力があってこそ。経営者がどんな想いで事業を進めているのか、会社が今どこを目指しているのかを、社内報やイベントなどを通じて伝えていきます。
社員自身が会社の理念や取り組みを理解し、自分の言葉で語れるようになることを第一の目標にしています。
めちゃくちゃ大事なのは、社外に伝えている情報と社内に伝えている情報を絶対に同じにすること。ここがずれると信頼が全て崩れるので要注意です。
危機管理広報|守護神も担う
危機管理広報は、トラブルや災害などが起きた際に、説明責任を果たし、社員と会社を守る仕事です。
商品に問題が起きたり、不祥事が発覚したりしたとき、何が起きていて、会社としてどう対応するのか。経営陣や関係部署と即座に連携し、発表や記者会見などの対応を考えます。
そのためには、日頃からの準備も欠かせません。
前職では、首都圏で大きな地震が起きた場合などを想定し、地方拠点としてどう動くか、危機管理訓練を定期的におこなっていました。
④ 個人事業主も、プレスリリースで情報を届けられる
プレスリリースは、個人事業主でも出せます。新しいサービスを始めるとき、教室でイベントを開くときなど、WordやGoogleドキュメントでプレスリリースを作り、メディアの窓口にメールやFAXで届けることができます。
大切なのは、自分の活動を社会の視点で捉えること。授業では、アカデミー生に具体的なアイデアもお伝えしました。
たとえば、スペインで学んだ経験のあるフラメンコ教室の先生が、地域の公民館で踊りを披露するなら、地域の方が本場の文化に触れられる機会として伝えられますよね。「本場で学んだフラメンコ講師は全国に何%いるのか」といった、根拠のあるデータが見つかれば、希少性も伝えられます。
音楽活動をしている先生には、公演会場に被災地支援の募金箱を設置するアイデアをお話ししました。音楽を楽しむ場が、支援に参加できる場になっていることが社会的意義となります。
さらに、以前、テレビ局の記者さんから、ある神社が毎日、手書きのプレスリリースをFAXで送ってくるという話を聞きました。いつも催しや出店などの情報が届くので、何もニュースがないときに取材にいくことがあるそうです。
一度の発信ですぐに取材につながらなくても、日頃から活動を知ってもらうことで、取材先の候補として思い出してもらえることもあります。
⑤ まとめ|広報の五原則
信頼をつくるために、広報活動で大切にしてほしいことを、五つにまとめます。
-
第三者に語ってもらう
自分で語らず、メディアなど第三者の言葉で伝わる機会をつくる。 -
さまざまな関係者に目を向ける
お客様だけでなく、社員や取引先、地域の方々との関係を大切にする。 -
誠実に向き合う
相手の声に耳を傾け、疑問や不安に真摯に対応する。 -
社会の視点で考える
自分たちの活動が、社会にとってどんな意味を持つのかを考える。 -
事実に基づいて伝える
思い込みや誇張を避け、正確な情報を届ける。
この五つは、企業でも個人事業主でも同じです。日々の発信や人との関わりの中で、意識してみてください。これらを実践し続けた先に、信頼が生まれ、選ばれる人・会社になれます![]()
おわりに
授業終了後、赤髪からこんな感想をもらいました。
かなり実務にも役立つ内容で、興奮しました。広報は奥深くて、そして必要な知識だと思いました。リテラシーがあがっているからこそ、バズではなく、信頼ある発信・誇れる発信が求められている…そんな今、MARIさんの広報の知識や経験は、発信したい人みんなに必要だと思いました!
これまでの広報経験が、みなさんの発信や仕事に役立つ。
そう感じられて、とてもうれしかったです。
授業ではお伝えしたものの、この記事には書ききれなかった話もあります。また広報の講座を開く予定なので、もっと知りたい方は、ぜひご参加ください。
自分の活動を社会の視点で見つめ直すと、まだ伝えられていない価値が見つかるかもしれません。この記事が、そのきっかけになればうれしいです![]()
以上、広報担当:MARIの授業レポでした![]()
講師・執筆:MARI / ライター
元LINEの企業広報。広報歴15年。IT企業や通販企業で社外広報・社内広報・SDGs推進と幅広く広報業務に携わり、管理職も経験。現在はフリーランスとして、企業や個人事業主の広報支援およびライティング業務を行う。
赤髪:SNS ACADEMY主宰![]()
SNS戦略家13年目。上場企業からフォロワー1,000万超のK-POPアイドルまで1,500社以上を支援。現在は、NYにある美術館のSNS運用を統括。世界を巡りSNS&AIの最新情報を発信中。
SNS ACADEMYについて![]()
SNSを軸に、集客からビジネス構築までを学べるオンラインスクールとして2022年に設立。累計受講生826名。なお、2025年末にて新規生徒受け入れを終了。赤髪による個別コンサル・サービスは完全終了しています。
今秋、SNS×AI×マーケティングのコミュニティ「GROWZ」開講予定。
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