エジプトはシナイ半島にムスリム原理主義派が蠢くのを忌避してゐる。

パレスチナ人の移住によっていらざる悶着が起こるのを懸念。

他国に逃げたい人が多い。

ヨルダンやエジプトはパレスチナ人の強制移住を決して容認しない。イスラエルでは右派がガザから住民を追い出そうとしてゐる。「二国家共存」はもう死に体なのだ。ガザは西岸と同じようにイスラエルが行政権や警察権の分担でA、B、C地区に分けられるのだろうか。C地区などイスラエル人によるパレスチナ人の家屋の破壊、土地の“国有化”を目指した接収政策がここ数年強化されてきた。いたるところの壁や検問所、子供たちは学校に行くのにも困難を強いられる。

23,11,7(日本時間)ネタニヤフ「イスラエルが無期限で安全保障全般の責任を負うと考えている」とも語ったという。「オスロ合意の失敗を繰り返すことは許さない」とビビは云ひ、バイデンは「イスラエルは国際社会の支持を失い始めている」「ビビ(ネタニヤフ)は変わらなければならない」とバイデンは迫るが(12/13TVニュース)。米国のしていることは右手に救急箱を示し、左手で猛犬をけしかけているようなものだ。そしてエルサレムのイスラエルの首都化も厭わない、バイデンよりももっと過激なトランプが次に控えている。彼のあからさまで露骨なイスラエル支持と、一方ではパレスチナに対してはなんの理解も同情もない。これこそはは杞憂に終わることを願うばかりだ。

 

「二国家解決」でなく「一国家解決」と云ふのもあった。パレスチナサイドでは塀や、検問所などが撤去され、職場、学校、公共機関施設へのアクセスフリー。同じ土地に平等な市民として暮らす。ただこれらは徴税、年金、衛生保険社会福祉、教育などもろもろの複雑系が行く手を阻む理想論に過ぎないだろう。メンバーシップが同じパレスチナの土地で分かれるわけだから。イスラエル側から云はせれば「一国家解決」とは即ち、パレスチナ人口の排除と云ふことになる。

 

倉石智證