23,10,31難民キャンプに空爆「大虐殺だ、言葉にならない。もうたくさんだ」

(ロイター=共同)

 

過酷な一日が始まり/過酷な夜に取り囲まれる/「あすこにゐるのは人間じゃあなくて動物(human animals)なんだ」と司令官は鼓舞する。こんなちっぽけなものになって血のまんま、肉のまんま、或いは感情や精神のまんま、破砕され、押し潰され、埋められ突然昼なのに、目の中に真っ暗にシャッターが下ろされる。日ごとに絶対に憎しみが増え続けていく。もう命乞いなんてしないだらう。イスラエルはとことん排除、排除、排除しか考えてない。老若男女、赤ん坊に至るまでこのイスラエルのパレスチナの地にパレスチナ人にはゐてもらっては困るのだ。北は廃墟になった。南ももう人道とは無縁になった。ヨルダン川西岸は蚕食状態に。機銃を持ったユダヤ人が普通のパレスチナ人の家に押し入る。オリーブの大樹が悲痛に揺れる。ハマスはそしてイスラエル国家の存在を認めない。二国家共存は無理になる。イスラエルは『(ガザ侵攻は)不幸ではあるが必要なことだ』と主張している」。イスラエルの非常に強い感情に囚われ続けている。ディアスポラ、ポムログ、ホロコーストなどによる歴史的トラウマ。一方は約束の地カナンは帰るべきシオニズム思想に。一方はセム系アラブ人は何世紀にもわたってオリーブの大樹、忘れ難いわが故郷の地。血であり、言語であり、肉体とは離れがたい祖国になる。“human animals”───肉を破砕してゆく。

 

しかしハマスは人の集団であると同時に思想でもある。人と違って思想を死なせることはできない」23,12,9ブロンウェン・マドックス 英王立国際問題研究所所長