22,12,12文春オンライン相澤 冬樹

赤木雅子さんは夫、俊夫さんの形見のマフラーを身に着け。

「主文 原告の請求を棄却する」

改ざんを主導した当時の理財局長、佐川宣寿氏を訴えた裁判が

提訴から2年8か月にして一審判決を迎えた。

大阪地裁202号大法廷

 

アベノミクスはよくないよ。花火は景気よく打ち上げられてプロパガンダは派手に一般大衆、とくに若者たちは引きずられたようだ。しかも、そもそも論だが自民党への投票率はわずか25%であるにもかかわらず政権与党になれるのだから、この民主主義は眉唾物だ。

 

まず安倍ちゃんの一番よくないのはその歴史観があげられる。「日本会議」を根っこに男系男子、万世一系に凝り固まってゐる。特にヤスクニは曾て戦時中は戦争鼓舞に日本国中の内心の母たちを涙させたにもかかわらず、桜咲く同期の桜と、多くの若者たちを死地に追いやった。鴻毛より軽く万死大義と過日のプーチンと同じやうなことを云ってゐる。東条英機ら7人は赤紙を出した側の人たちだ。赤紙を受けて戦地に赴き無念に戦塵に倒れた無名の多くの兵士たちの御霊とは混淆できないと考えるのが筋だろう。

 

後生大事とヤスクニ詣でにはせ参じるご一統さんたち「── accepts the judgments」ダブルスタンダード─には違いない。ヤスクニ14人国際法では受諾したが【国際公約】、国内法では犯罪者として扱わない。テーゼに掲げる「美しい国の日本」には程遠い姿勢だ。

22,12,12文春オンライン相澤 冬樹

(赤木雅子・俊夫、佐川宣寿)“賠償責任は国家が”▲国が“認諾”「カネさえ払えば」

 

韓国ケシカランと「ゴールポスト」をしょっちゅう動かすと非難するけれど足元を見れば自民党の皆さんの論理的破綻こそは情けないほどだ。

■民主主義「こんな人たちに負けるわけにはいかない」。安倍ちゃんは“モリカケ・桜”と民主主義を壊した人だ。

■森友学園への国有地売却の決裁文書の改ざんを指示した問題についても明らかに問題は安倍首相夫妻からことが発してゐるのは明らかだ。佐川宣寿氏からは謝罪無し、法廷への出席も無かった。“認諾”と云ふことで諸問題の蓋は閉じられる。一連の事件の流れは国民に「公は私に」嘘をついてもいいんだと強く印象付けた。

■公私混同の問題は“桜”にまで続いていく。自らの政治団体に領収書の不明なまま大勢の人等を招いた。なかには社会的問題の人物も含まれる。彼の不道徳なビジネスにお墨付きを与えるものだった。よって清やかであるはずの日本の桜は灰色に台無しになった。

■政治とカネの問題は、選挙と投票に絡み、この人種の人たちの永遠の宿痾ででもあるかのやうだ。そして安倍ちゃんは旧統一教会と深く結びつき、凶弾が彼を撃ち抜いた。眼が覚めよと呼ぶこゑがする。一人の英雄は言葉もなく地に堕ちて、もう一人の私人は為すこともなく監獄に墜ちた。

 

倉石智證