2012,10,9(猪瀬副知事)ダメだ、ダメだ、ダメだ。ちょんこずいているとは云はないけれど、こんな風に自画自賛していては、シンガポールの足元にも及ばない。仁川の都市型概念にも負ける。エネルギー(湾岸火力発電)、水(インフラ輸出)などは頑張っているとして、(特区としての)法人税を、英語圏を、また安全、安心はあるとしても、まだまだアメニティーの関しての立体感は足りない。一番肝心な概念として足りないのは「つながる」。iPadでもデザリング、クラウドでも、これから始まるIT革命もすべてが双方向「つながる」と云う概念が基盤であるのは明白だ。すでに“東を助く”という東京駅(今は品川駅)が中心と云う発想が内向きそのもので、発展するASEANを無視している。中流階層というものすごいボリュームゾーンが生まれつつあるのに、羽田を接点に列島付加価値を練り直さないのは不可解だ。新幹線、リニアの始発をすべて羽田に。羽田にこそビッグターミナルを集めるべきで、それも、これから起こりうるかもしれない地震に対しての防災も先取りしてのプランだ。万が一東京が壊滅的になったとしても、羽田、豊洲、ディズニー、成田などの防災インフラを基盤として、利回り著しいアジアとの諸国とクラッチできるならば、復興はかなり現実的になるのではないか。
特区は豊洲にする。折角、築地が移転するなら、そのアナログ感覚と最先端の金融東京オフショアを合体させる。豊洲を最先端の出島にして、金融、医療、学校、そしてアナログな築地シティ、それらをクラストするのだ。羽田からはリニアが乗り入れる。さらにその先をのばしてディズニーに結ぶ。なにを哀しくて名古屋に40分なのだ。速いのなら既にネットバーチャルには追い付かない。リニアの先々は既存の資本に結びつける。いわく、富士五湖界隈から富士山、南アルプス、黒部ダム方面、世界有数な八方スキー場などなどだ。南の雪のない国々のみなさんを夢の白銀にいざなう。地方創生を云ふならますますビッグノーズは羽田へ集中させる。飛行機で羽田に着いたらすぐに福島県へ、岩手は花巻温泉、宮沢賢治ワールド、陸奥へとインバウンドな人口を躊躇なく誘導する。ついでに云へば全国から集まった築地物産は即そこから羽田を通して全世界に発送物流できる。もちろん同時に世界のおいしいものも羽田から築地に同時感覚で届くという按配に。
猪瀬副知事───ちょんこずいているとは云はないけれど、さらにオリンピックにこだわるならば、ロンドンオリンピックの後のイギリスの経済の指標をもう少しおっかけた方がいいのではないか。定常化、成熟した国においてのオリンピックはGDPの起爆になるのかどうか、まともな人が考えたらこれも極めてあやしいと云はざるを得ないと思ふのだが。こんなに便利になり過ぎた東京、いや東京に限らず人口が減って、税収も減ってゆく列島で、地下鉄も高速も、これから補修・修繕費の維持費用が莫大になり、それらも今から、僕らはその頃はおそらく生きていないことだらうが、それだからこそ、余計に気になるのだ。倉石智證